「モルトヘッズ」店舗入口。木製ドアが目印だ

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大手の画一化されたビールとはひと味違う「クラフトビール」の世界。そのバラエティに富んだ自由な味の世界が、近年ビールファンの注目を集めています。札幌にある「モルトヘッズ」はそんなクラフトビールをワールドワイドな視点で楽しめる店。今回は、クラフトビールの世界で「ビールの賢人」と呼ばれるエキスパートがオススメする世界のビールをご紹介しましょう。

オーナーの坂巻紀久雄さん

「モルトヘッズ」は中央区南3条西8丁目の大洋ビルB1にある、ビールとモルトウイスキーの専門店。ビジネスビルのようなシンプルな建物の階段を地下に下りると、突然現れる木製ドアが目印です。

日本ビール検定1級とビアテイスターの資格を有し「ビールの賢人」の異名を持つ、オーナーの坂巻紀久雄さんは「地方の特色を生かした、より質の高い『自由なクラフトビール』のトレンドが全国的に定着しつつあります。その中でも冷涼で乾燥した札幌の気候と風土は、クラフトビールを楽しむのに最適です。また、北海道はホップの産地でもあり、味の特徴を出す副原料も道産の良い物を使ったビールが札幌には集まりやすい。私は札幌を『日本のビールの首都』にすべく頑張っています」と話してくれました。

■ 「ビールの賢人」がオススメするクラフトビール

今や「世界のビールの首都」とまで言われるアメリカ・ポートランド市のビール「ギアアップ IPA」。「IPA」とは「インディア・ペールエール」の略で、ホップを大量に使ったビールのことです。ホップ由来の柑橘系の香りがはっきりと出て、また上品な苦みが効いています。缶のデザインもファッショナブルです。

ビールの本場ドイツでも、アメリカのクラフトビールの影響を受けたビールが出ています。「セッションIPA」は「会話のじゃまにならない、飲みやすくアルコール度数の低い」スタイル。柑橘的な香りがさわやかな1本です。アルコール度数は3.4%と低いですが、ホップの苦みをしっかりと感じることが出来ます。

ドイツ人のブラウマイスターが伝統的な醸造法で造る、本場の味わいです。苦みは非常に穏やかで、ビールの苦みがニガテな方も楽しめます。酵母が演出するバナナのような濃厚でフルーティなフレーバーが印象的。小麦麦芽を使用するのも特徴で、色合いは白く濁っています。ドイツでは白ビールとも呼ばれているタイプです。

その他、この店で飲めるオーナー坂巻さんオススメのクラフトビールを紹介しましょう。左からベルギーの「オルヴァル」、登別市の「鬼伝説・金鬼ペールエール」、ドイツの「プランク・ヴァイツェン」、アメリカの「ローグ・ひぐま濃い麦酒」、イギリスの「フラーズESB」、江別市の「ノースアイランドIPA」。どれも、クラフトビールとして、地元の特色を生かした逸品ばかりです。

店内はシックな木調のインテリアが似合う落ち着いた雰囲気。バーカウンターの奥には世界中から厳選したビールがずらりと並んでいます。特にクラフトビールの品揃えが豊富で、地元札幌のクラフトビールはもちろん、全道、全国、さらに世界のビールが楽しめます。ビールの新たな知識と、未知なるビールの魅力に触れながら、至福の一夜を過ごしてみたいですね。

BEER+MALT WHISKY Maltheads ■住所:札幌市中央区南3西8-7 大洋ビルB1 ■電話:011・522・5152 ■時間:18:00〜翌1:00 ■休み:不定 ■席数:9席(禁煙)

【北海道ウォーカー編集部】(北海道ウォーカー)