1週間、ずっと同じテンションで仕事するのはむずかしいものですね。眠い、だるい、やる気が出ない……。だれしもそんな日、そんな時間があると思います。あなたにとっては何曜日の何時ごろ? 

女性の健康力向上を通した社会活性化への貢献をめざす「ウーマンウェルネス研究会」が平日昼間に働いているビジネスパーソンを対象に行なった「日中のパフォーマンスに関する意識調査」を見てみましょう。そしてそんな「魔の時間帯」の克服方法を、睡眠不足の研究と治療に携わってこられた白濱龍太郎医学博士にうかがいました。

ビジネスパーソンの睡眠不足と向き合ってきた“睡眠の名医” 白濱龍太郎先生。医学博士医療法人RESM理事長。

もっとも眠くてだるいのは「月曜の午後」

これによると、働く人の8割以上が日中に「眠気、だるさを感じている」といいます。さらにそのうち9割の人が「仕事のパフォーマンスの低下」を実感していました。眠くてだるければ、仕事がテキパキできるはずがありませんね。

もっとも眠くだるい曜日は月曜日。その次が木曜日です。時間帯では、月曜日は午前中から午後15時にかけて。このうち特に12時〜15時が眠くてだるい。木曜日も12時〜15時という結果が出ました。

圧倒的に月曜は眠い人が多い!

白濱先生はこの結果を次のように解説します。

「実は、月曜がもっとも仕事がはかどる、という人も多いのです。週明けの好不調は週末の過ごし方にかかっていると考えられます。週末に昼まで寝たり夜更かしをしたりして生活リズムを崩してしまうと、月曜はつらくなります。

もうひとつの魔の時間帯である木曜の午後は、週の後半になって疲れが蓄積してくるためと考えられます。逆に金曜夕方になると、休み前でテンションが高まるのか仕事がはかどると感じる人が一気に増えるんですよ」

日中のパフォーマンスを上げるお昼寝と電話をかけること!

月曜日も木曜日も、眠気とだるさのピークは12〜15時で共通しています。ここが「魔の時間帯」といえそうです。12〜15時は交通事故の発生率が高い時間帯としても知られています。理由は、ランチでお腹がいっぱいになるからでしょうか?

「眠りを誘う作用のあるメラトニンの分泌は、朝起きて太陽を浴びてから約15時間後に始まります。しかし分泌のピークは起床後8時間後にも訪れるのです。6時に起床したなら14時ごろですね。このタイミングがランチ後と重なります。食後は血糖値が上がって覚醒ホルモンが抑えられるため、特にこの時間帯に眠気やだるさを感じやすくなるのです」

先の調査によると、「日中のパフォーマンス低下の要因」は次の3つです。

1.眠気やだるさ 76.2%

2.目疲れ 66.3%

3.肩こり・腰痛などの身体のコリ・痛み 60.6%

ということで、多くの人が眠気だけでなく、目の疲れや肩こり、腰痛などとも闘っていることがわかります。特にデスクワークでパソコンに向かっている時間の長い人は、眼精疲労や肩こり、座りすぎによる腰痛が響いていることでしょう。この眠気、だるさにどう対処すればいいのでしょうか?

白濱先生は解消法として、タイムマネジメント、昼寝、目の疲れのケアの3点をポイントに挙げます。

「タイムマネジメントとしては、1日のなかでもっとも頭がスッキリしている午前中の時間を有効に使うこと。頭を使う仕事、クリエイティブな仕事は午前中にして、メールチェックなどは午後にもっていくといいでしょう」

そしてお昼寝のススメ。

「眠気をこらえて仕事を続けるより、思い切って昼寝の時間をとったほうが、結果的には1日の仕事がはかどります。夜の睡眠に影響が出ないよう、15時より前に、15〜20分程度にとどめましょう。昼寝する前に緑茶やコーヒーなどカフェインの入った飲み物を飲むと、ちょうど起きる頃に効果が現れ、スッキリ目覚めることができます。またせっかくの昼寝タイムですから、蒸しタオルやホットアイマスクで目もとを温めると、目の疲れも解消できてより効果的です」

大半の会社には昼寝ができる場所が存在しないのが、問題なのかも。

しかし、昼寝できない時もありますよね。そんなときはどうすれば?

「休憩できない時間帯にどうしても眠くなってしまったら、交感神経を刺激しましょう。すぐできることとして、立ち上がってノビをする、首や肩のストレッチをすること。炭酸水を飲む、ハミガキをするのもいいでしょう。いつもメールで済ませている人に、電話をかけるのもいいでしょう。人と話すことは適度な緊張を生むので、交感神経が活発になりますよ」

日中、眠かったりだるかったりで仕事が終わらない。その結果、残業になって、寝るのが遅くなって睡眠不足に。翌朝はまた眠くて……そんな悪循環から抜け出す日中パフォーマンスを上げるコツ、参考になりましたか?お昼寝、ぜひ取り入れてみてください。

眠いときは我慢しないで昼寝するといいのよ。

データ提供:ウーマンウェルネス研究会