現在15色を展開する「マジックインキ」(大型 1本120円・税別)/マジックインキ

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氷にも書ける!文具の世界に革命を起こした「?」マークの“魔法の筆記具”「マジックインキ」。人気の秘密と知られざる製造工程をご紹介!<※情報は関西ウォーカー(2017年4月18日発売号)より>

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「マジックインキ」(大型 1本120円・税別)。書く場所をほとんど選ばないオールマイティなマーカーは、オフィス、工場、家庭でと幅広く活躍している。インキの補充、ペン先交換も可能なエコ仕様で、現在15色を展開。

■ 筆記具の常識を劇的に変えた「マジックインキ」

多くの人が今や、当たり前のように使う油性マーキングペン。その由来となった「マジックインキ」は1953年の発売以来、それまでの筆記具の常識を劇的に変えた。当時、アメリカでヒットしたフェルトペン先の新たな筆記具に想を得て、初めて尽くしの研究を重ねた新商品はガラスや、プラスチック、布、革、果ては氷にまで書けて、連続使用が可能。すぐ乾いて、水でも、摩擦でも消えない。

万年筆、鉛筆がおもだった当時、まさに“魔法の筆記具”の登場だった。使用後にキャップを閉める習慣がなかった発売直後こそ、「インキがかすれた」という苦情が殺到したが、画家や漫画家からの好評を機に、1960年代には学校教材や、事務用品としていっきに浸透した。

■ 知られざる製造工程を紹介!

日本のマーキングペンの元祖であると同時に、インキの補充や、ペン先の交換ができるエコな文具の先駆けでもある「マジックインキ」。続々と新たな筆記具が登場する現在でも、画期的な“魔法”の存在が消えることはない。

<1>インキの色に合わせて原料を調合。染料(色の素)とキシレン(溶剤)、インキを定着させる樹脂を調合し、湯煎しながら約40分混合。樹脂は色により異なる種類を使用。

<2>蒸気でインキを温めながら、遠心分離機で不純物を取り除いたあと、充填機に投入。瓶にインキを注入後、中芯を入れ、染み込ませる。

<3>瓶口にインキの蒸発を防ぐパッキンを付けて、ペン先が付いたホルダーを装着。瓶にビニールフィルムを巻き、熱で圧着させる。

<4>ラベルを瓶にはって一本ずつ箱詰めし、ケースに入れて出荷。機械はメンテナンスをしながら50年以上、変わらず製造ラインを守っている。

■ 「マジックインキ」ヒットの裏側

大型のペン先は、持った時に最も書きやすい角度「79度」が計算されている。発売以来64年、製造工程が変わらないのが商品の完成度の高さを実証。

インキの溶剤・キシレンの成分に耐え、乾燥を防ぐキャップの素材選びが、長年の使用に耐える秘密。

「魔法のインキ」をイメージした「?」のロゴマークは、記憶に残るインパクトで商品をアピール。

「さまざまな要望・用途に合わせたペンの開発も行い、さらなる技術の応用や研究を重ねています。現在、あっと驚く意外な新製品も開発中です!」と、工場長の銘苅久雄さん。

■寺西化学工業株式会社<住所:大阪市旭区生江2-13-11 電話:06-6185-1188(お客様窓口) 創業:1916年 社長:寺西和男 事業内容:文具・事務用品の製造・販売 従業員数:104名(2017年現在)>【関西ウォーカー編集部】