夏はもちろん、祭りも好きだと話すHAN-KUN。街中に置かれていた飾り山笠に興味津津だった

写真拡大

湘南乃風の一員として活動する傍ら、2008年からソロ活動を精力的に行うHAN-KUN(ハンクン)。彼が3年ぶりに待望のニューアルバム「VOICE MAGICIAN V 〜DEEP IMPACT〜」を8月2日に発売した。新作に込めた想いや聴きどころを中心に、福岡の思い出も語ってもらった。

【写真を見る】今作のキーワードは、タイトルにもなっている“インパクト”。いろいろな人から得た“衝撃”を作品に詰め込んでいる

■ 百道浜にある「マンマ・ミーア」にレゲエを感じる

―まずは、福岡に来られるのはどのぐらいぶりですか?

HAN-KUN(以下H):16年の年末に湘南乃風のツアーで、マリンメッセに来た以来です。今回は7月12日に美野島で行われた祭りのイベントに出演しました(※取材日13日)。“はじめまして”の人も多く、普段自分のライブに来たことのない人たちの前でパフォーマンスができたのは、とても新鮮で勉強になりました。

―かなりアウェイ感がありそうですね

H:そうですね。でもその新鮮な感じがすごく好きで。音を通じて人と繋がっていく瞬間が最高に楽しいです!

―なるほどです。では今回を含めて何度も福岡に来ていると思うのですが、よく行く店などはありますか?

H:百道浜にある「マンマ・ミーア」っていうお店がすごく好き。僕が福岡にくるタイミングでイベントがあるとよく行きます。ジャマイカの雰囲気がある店でレゲエを感じられるので、ぜひ一度行ってみてください。

■ アルバムから“衝撃”を感じてほしい

―それでは音楽のお話へ。3年ぶりのアルバム「VOICE MAGICIAN V 〜DEEP IMPACT〜」が完成しましたが、アルバムができた率直な感想を教えてください。

H:やっと完成したって感じです(笑)。作品制作自体は本当に楽しかったですね。

―今作のタイトルに込めた想いを聞かせてもらえますか。

H:NYで音源を制作している時に、いろいろな人に衝撃をもらったところからこの名前を付けました。それは、自分がレゲエやブラックミュージックを聴きはじめたころに受けたデカイ衝撃とどこか似ていて…。アルバムを聴く人にも、そんな衝撃を少しでも感じてもらえたらと思っています。自分の音源を聴いたことのない人がアルバムを耳にした時に、自分自身が初めてレゲエを聴いた時のような気持ちへ誘えることができればと。

―キーワードは“衝撃”ですね。それも踏まえて、楽曲作りで重要視したことはありますか?

H:楽曲によっては、アメリカのヒットチャートで人気がある楽曲のサウンド感を取り入れたりもしました。NYで感じたフィーリングを大切にしながら、ライブやツアーを見越して流れの中で必要だなって思うトラックを制作しました。

―収録しているナンバーで、特に聴いてほしい1曲を教えてください。

H:全部聴いてほしいですが、いま強いてあげるならば10曲目に入っている「無問題」。タイトルが中国の言葉なので、トラックもそれに合わせて中華風の音階を使いました。また、一緒にMVも制作したのですが、楽曲と歌詞に合わせてコミカルなものに。カンフー映画のエンドロールにあるNG集をオマージュした作品になっているので、楽曲だけでなくそちらもチェックしてくれたらうれしいです。

■ ライブに足を運んで、メッセージを受け取ってほしい

―9月29日(金)に行うドラムロゴスのライブで、アルバム曲を聴くのが楽しみです。

H:マリンメッセのような大きな会場とは異なり、マイクを通さなくても声が届くような空気感や距離感のあるライブハウスで行います。だからこそ、自分のパフォーマンスで“衝撃”を与えに行くつもりです。ライブという音源とは違った“衝撃”を、お客さんと共に作り出せれば最高です!

―最後に福岡のファンに向けてひと言ください。

H:ソロ、湘南乃風を含めこれからもレゲエという音の上でみなさんにメッセージを発信し、人生の中の音楽というよりは音楽の中の人生を生きれたらと思っています。すでに聴いてくれている人たちはもちろんこれから聴いてくれる人たちと、そんな人生の一部を一緒に共有できたら最高です。素晴らしい音楽を共にできれば、日本のミュージックシーンがよりよい方向へ向かうんじゃないかとすごく期待しています。みんなで肩を組んで、よい音楽を未来に残していきましょう!

実直に語るHAN-KUNの姿勢から、アルバムやライブに対する熱いハートが伝わってきた。彼の音源を聴いたことがある人も、またこれから聴く人も、アルバムやライブで新たな“インパクト”を残してくれる。そう確信したインタビューだった。

【九州ウォーカー編集部/取材・文=川合知也(シーアール)】