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@Sotheby's

10ポンドのがらくたとして購入された指輪が、実は本物のダイヤモンドと判明し、オークションで656,560ポンド(約9,360万円)で落札された。そんな、ウソのようなホントの話が、今月ニュースとなり世間をあっと言わせた。

驚きの事件の舞台となったのは、2017年6月7日にロンドンで開催されたサザビーズロンドンオークションだ。この指輪は、ロンドンで1980年代に、10ポンド(現在の為替レートで約 1450 円)のがらくたとして蚤の市で購入されたものだったが、事の経緯はこうだ。購入した際に女性は、「並外れて大きい」こともあり、石はずっと模造品だと思っていて、約 30 年にわたり日常的に使っていたという。19 世紀にクッション型(ラウンドとスクエアの混ざった形)にカットされた、26 カラットのダイヤモンドだなどとは、まったく気づいていなかったのだ。所有者は購入から 30 年ほど経って、もしかしたら本物かもしれないが価値が全く分からないと、サザビーズに持ち込んだ。サザビーズは米国宝石学会(GIA)に鑑定を依頼し、26 カラットのダイヤモンドだということが判明した。

この指輪は19世紀に加工されたとみられており、当時のカットは原石の重量を減らさないことが優先されていたため、輝きが比較的鈍いのが特徴とのこと。サザビーズ(ロンドン)の宝飾品部門を統括するジェシカ・ウィンダムは、「アンティークなクッション型にする旧式のカットでは、現代のカット方法ほど光が強く反射しないのです。当時の職人は、最大限に輝かせるよりも、大きさをできるだけ維持しようと、結晶の自然な形を生かしてカットしていました。輝きが鈍かったため本物の石ではないと信じ込ませたのでしょう。すごい掘り出し物です。」と話している。

人生何が起こるかわからないとは言うが、オークションというモノの価値がフォーカスされる舞台では、往々にして起こりうる。夢のような掘り出し物に出会ったり、または、自分ががらくたと思っていたモノに予想外の値がつくことがあるかもしれない。ふとしたきっかけが、あなたをオークションの世界へいざなってくれるかもしれない。

■Sotheby’s(サザビーズ)とは
1744年以来、蒐集家と世界の美術品をつなぐ役目をはたしてきた。ロンドンを本拠地に、1955年のニューヨーク進出とともに、世界で最初の国際的オークションハウスとなって以来、香港(1973年〜)、インド(1992年〜)、フランス(2001年〜)の各国でオークションを開催している。2012年、中国初の国際美術品オークションもサザビーズが主催した。現在は、世界 40 カ国に 90 の事業所を要するグローバル企業で、西洋近代美術、現代美術、中国美術、時計、ジュエリーなど 70 以上の分野において年間約 250 のオークションを開催。ニューヨーク、ロンドン、香港、パリを含む世界 9 箇所にセールスルームを持ち、すべてのオークションをネット上のライブで視聴し世界のどこにいても入札に参加できるプログラム、サザビーズ・ドット・ナウもある。
サザビーズジャパンでは、専門知識をもつ海外のスタッフと日本のカスタマーをつなぐ架け橋として、オークションへの入札・出品、作品の査定、コレクション形成等、アートに関する様々なご要望に日本語で対応している。
http://www.sothebys.com/jp