一億総活躍社会の実現のため、政府が進める「働き方改革」。ウートピでも「日本一ちっちゃな働きかた改革」として、心から納得できる働き方を模索しています。

日々の仕事に追われる中では実感しにくい面もありますが、会社員の働き方は実際に変わってきたのでしょうか。

エン・ジャパンはこのほど、同社で運営している人事担当者向け中途採用支援サイト『エン 人事のミカタ』で、企業を対象に「働き方改革」に関するアンケート調査を実施したところ、約6割の企業が「働き方改革」に取り組んでいると回答しました。

大きな企業ほど「働き方改革」に意欲的

まず、企業(471社)に「働き方改革に向けた取り組みを行っていますか?」と聞いたところ「はい」と回答した企業は60%で、「いいえ」と回答した企業の33%を上回りました。

企業規模別にみると、規模が大きくなるにつれて改革に取り組んでいる企業が多いことがわかりました。

働き方改革に向けた取り組みを行っていますか?(企業規模別)

また、働き方改革に取り組んでいない理由には「企業規模が小さい」が44%、「必要性を感じないから」が23%、「経営者の意向」が19%という結果に。事業規模と推進度に関係性があることがうかがえました。

具体的な施策は「長時間労働の是正」

続いて、取り組んでいる企業に、取り組みテーマや具体的な施策を聞いたところ、「長時間労働の是正」(89%)が最も多く、次いで、「女性の登用・活用」(43%)、「病気治療や育児・介護と、仕事を両立できる環境作り」(27%)となりました。

取り組んでいるテーマについて(企業複規模別/複数回答可)

なお、長時間労働の是正の具体的な施策としては「働き方改革に向けた業務の効率化」(43%)、「時間外労働の事前申告制」(43%)、「年休取得率・取得日数向上目標の設定」(36%)、「ノー残業デーの徹底」(30%)が上がりました。

具体的に、取り組む施策について教えてください(複数回答可)

また、女性の登用・活用に取り組んでいると回答した企業が行っていることには、「出産・育児をサポートする福利厚生制度の充実」(58%)、「時短勤務・テレワークなどの勤務形態の多様化」(57%)、「管理職への積極登用」(54%)など、ライフステージの変化にも対応する取り組みが上がりました。

具体的に、取り組む施策について教えてください(複数回答可)

今後の課題は?

さらに、自社の「働き方改革」に取り組む上で具体的な悩みや課題として、下記のような声が上がりました。

「テレワークを導入したにもかかわらず、労働時間が削減されていない。社員間コミュニケーションの希薄や、情報管理リスクなどテレワーク自体の問題点がある」(101〜300名/広告・出版・マスコミ)

「時間(量)から質への転換に向け、社内の労働観を変えていく必要がある 。長時間労働の社員を高く評価する管理職が社内に存在することが悩み」(301名以上/サービス関連)

今回の調査では、「働き方改革」のテーマに「長時間労働の是正」を上げている企業が多いことがわかりました。しかし、政府が促進している「働き方改革」に対するコメントの中には「労働の生産性を高めるのが本質。単に残業削減だけがフォーカスされている」という声も。

政府の意向だからとやむなく実施するのではなく、企業と働く人が互いに納得できるような環境作りが求められると言えそうです。

【調査概要】
調査方法:インターネットによるアンケート
調査期間:2017年3月22日〜4月25日
回答企業数:『エン 人事のミカタ』を利用している企業471社

ウートピ編集部