FPが回答! お金ないけど結婚したい場合はどうしたらいいの?

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結婚したい、でもお金ない……。そう考える人は多いのではないでしょうか。結婚にはいくらお金がかかるものなのでしょう。また、貯金がなくても結婚はできるの? お金ない彼氏と結婚したらどうなる? 結婚とお金の問題をFPの石川福美先生に教えてもらいました。

■結婚にかかるお金の目安

まずは、結婚するにはどのくらいお金がかかるものなのか、詳しく教えていただきました。目安にしましょう。

今では結婚式に対しての考え方も多様化し、結婚式にお金をかけない「ジミ婚」や、そもそも挙式や披露宴パーティーを行わない「ナシ婚」などという言葉も生まれています。それでもやっぱり結婚式は女性の憧れ。どんな結婚式を行いたいのか、どのように資金準備をしていくのか、しっかりと計画していきましょう。

◇結婚式費用

自己負担分平均127万4000円(63万7000円/人)
≪内訳≫
挙式・披露宴・披露パーティー:359万/7000円
※300〜400万円未満が26.3%と一番多くなっています
ご祝儀:232万3000円

◇新婚旅行費用

61万6000円(30万8000円/人)
※60〜80万円未満が22.8%と一番多くなっています

◇新生活費用

72万3000円(36万1500円/人)
※50〜100万円未満が30.4%と一番多くなっています

引越し費用や、家具家電を揃えるために、最初のスタートは支出が多くなる夫婦が多いですね。しかし同棲の延長など、使える家具は引き続き使用してコストを削減して節約される夫婦もいます。(石川先生)

■結婚前に貯金しておきたい金額

結婚式、新婚旅行、新居準備をすべて行う場合で、夫婦で出費を折半する場合、一人130万円ほどということが分かりました。それを踏まえて、結婚前に貯金しておきたい金額はいくらなのでしょうか?

結婚式、新婚旅行、新居費用などから、夫婦で261.3万円(1人130.7万円)、そして家庭での緊急予備資金として生活費の3カ月〜6カ月分の蓄えを夫婦で60〜120万円(1人30〜60万円)、合計321.3万円(1人160.65万円)あると安心です。

結婚後すぐに妊娠出産の予定がある夫婦の場合は、出産費用として50万円(一人25万円)も備えておきましょう。

ここに親からの援助金がある場合は少し負担がかるくなりますが、20代では親から援助金をうけとる夫婦が約8割、30代になると約6割に減るということから、自立した大人として自分たちでしっかり計画的に貯めておく方がスマートですね。(石川先生)

■お金なくても結婚する方法とは

カップルで321.3万円以上の貯金ができていない場合は結婚できないのでしょうか? お金がなくても結婚する方法があるなら知りたいですよね。石川先生にアドバイスいただきました。

今は結婚式をしない「ナシ婚」カップルも増え、新居も同棲の延長であれば、まったくお金をかけずに入籍することもできます。その他、写真だけで済ませる「フォト婚」、結婚式費用をとことん抑えた「スマ婚」など、様々なスタイルが生まれています。どのようなスタートを切り、何を優先したいのか、結婚に関する価値観についてパートナーとしっかり話合うことが大切です。

◇ナシ婚

結婚式など何もしないスタイル

※2014年の婚姻件数64万9000組(厚生労働省 2014年 人口動態統計)に対し、結婚式件数35万組(2005年 サービス産業実態調査)の発表から、入籍者の約53.9%が式を挙げていないことが予想されます

◇フォト婚

式を挙げずに写真だけで済ませるスタイル

◇スマ婚

結婚式費用をとことん抑えたスタイル

上記3つのようなスタイルを選んだ場合、あまりお金をかけずに入籍することもできるとは言っても、家族が増えるわけですから、もしもの時に備えた緊急予備資金も家族分必要になります。緊急予備資金の目安としては、一切の収入がなくなった状態で最低でも生活費の3カ月分、お子様がいる場合は6カ月分のお金があると安心ですね。(石川先生)

■お金がない男性と結婚したらどうなる?

どうしても結婚がしたい、でも彼氏にまったく貯金がない上収入が低い場合、結婚は避けたほうがいいのでしょうか? 数多くの方の家計を見てきた石川先生にアドバイスをいただきました。

当然の話ですが、自分が求める生活水準を維持するに足りない年収の男性と結婚する場合は、生活水準を下げるか、自身の収入で世帯年収を上げるかという対策が必要になります。

しかし、年収が高い男性と結婚すれば心配ないのか、というとそうではありません。実は、貯蓄額と収入は必ずしも比例するものではないのです。これまでお会いしてきた中には、年収1300万円の方でも、貯蓄額は30万円弱、借金400万円という方もいれば、年収350万円の方でも29歳で1000万円貯めた方もいらっしゃいます。

大切なのは年収よりも、その方の資金管理能力や計画性、お金に対しての価値観が合うかどうかということだと思います。一緒にしっかりとしたライフプランとマネープランを計画できるパートナーを選ぶことが大切です。(石川先生)

■「お金ない」と結婚を渋る彼氏と結婚するには?

「お金ないから」と言って結婚を渋る彼氏。好きならなんとか説得して結婚したいと思ってしまいますよね。どうしたらいいのでしょうか?

結婚は2人でするものですから、「結婚式は豪華にしたい! 新婚旅行はヨーロッパに行きたい! マイホームがほしい! 子どもの教育には力をいれたい! 結婚したら仕事を辞めて専業主婦になりたい!」という、高い理想だけを持っていては、彼氏は怖気づいてしまうかもしれませんね。

まずは、2人でしっかりとライフプランを立て、どの時期に、いくらの資金が必要なのか、具体的な数字を調べてみましょう。その必要資金の準備にはどんな方法があるか検討しましょう(子どもの教育資金であれば奨学金の活用等)。逆算すると月いくら貯金をすればよいのかが見えてきます。理想を現実の数字に落とし込んでいくことで、案外実現可能な数字だとわかるかもしれません。

もちろん、希望を全て詰め込むことは現実的ではないと気付く場合もあるでしょう。まずはリストアップ、そして優先順位をつけることから始めて、彼氏を説得しましょう。(石川先生)

■実はお金ないカップルほど結婚した方がいい!?

「ナシ婚」にしたところで、やはり結婚生活にはある程度お金の準備が必要なことがわかりましたね。でも、実はお金のないカップルほど結婚した方がお得なこともあるようですよ。

支出を抑えるという観点から見ると、住居費・光熱費・食費・インターネット等の通信費など、1人よりも2人にまとめた方が基本料も圧縮され、節約につながります。

また資産形成の観点から見ても、お金の使い道など目的が同じであれば、2人の方が効率的です。運用する場合はリスクを一点集中させてない為に、分散することが基本です。1人分の資金サイズでは、分散によりひとつひとつの運用資金が小さくなってしまいますが、2人の資産をまとめることで、元本を大きくすれば運用効率も上がりますし、リスク分散も可能となります。(石川先生)

もし、現在同棲などしていないカップルの場合、結婚する前に貯金をお互いがんばるよりも、先に結婚して貯金をがんばる方が早く貯まるという考え方もできるようですね。

■まとめ

お金がなくても結婚できるかもしれない、と希望がわいてきた人もいるかもしれませんね。石川先生によると「年収が高い低いということよりも、収入と支出のバランスをしっかり考え、ライフプランとマネープランの両輪をつくっていくことが大切です。結婚はひとりだけのものではありませんから、パートナーと一緒にしっかりと話し合って計画していきたいですね」ということです。彼氏と将来について一度しっかり話し合ってみることが大事なのかもしれません。

(監修:石川福美/クレア・ライフ・パートナーズ)