榮太樓總本鋪 喫茶室 雪月花 日本橋本店(日本橋)/宇治あんみつ(810円)。天然寒天に宇治の抹茶、自慢のこしあんを合わせた人気商品

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甘味処や喫茶の名店がひしめく日本橋、人形町界隈。
今回はぴあMOOK『日本橋のおいしい店』から厳選5店を、各店自慢のメニューとともにご紹介!

【写真21枚】日本橋・人形町エリアの厳選喫茶&甘味処 フォトギャラリー

ミカド珈琲 日本橋本店(三越前)

老舗ならではの繊細なこだわりで、一歩先ゆくコーヒー文化の発信地

■名物メニュー:モカソフト/480円(カップ入り)

濃厚な甘みを引き立てる心地よいほろ苦さが特徴。手作業でドリップしたコーヒーを使用しているからこそ、深煎り豆の豊かな香りが生きている。テイクアウトまたはスタンド席で楽しめるコーンタイプ330円もあり。

「日本でもコーヒーを気軽に飲む時代が来る」。そんな想いから1948年に焙煎豆の販売店として創業。新鮮な豆をその場で味わえる立ち飲み形式をいち早く取り入れ、黎明期から日本のコーヒー文化を牽引する。

60年代後半、第一次純喫茶ブームが起こり、大人の嗜好品としてコーヒーが浸透した際には、自慢の味を子供たちでも楽しめるようにとモカソフトを開発。半世紀近くも老若男女を問わず愛される看板商品となった。

人気店となり、規模が拡大した今もなお品質へのこだわりは増すばかり。40年間専属契約を結ぶメキシコのサンアルフォンス農園をはじめ、世界の農場から直接仕入れた上質な豆を自家焙煎し、手間ひまかけたドリップで魅力を最大限に引き出す。

本物の香りとコクは、ゆっくりと椅子席はもちろん、立ち飲みでも。その気軽さは今も変わらない。

営業時間:7:00〜19:00、土曜8:00〜18:00 、日曜・祝日10:00〜18:00
TEL:03-3241-0530
休業日:無休
座席数:60席
住所:中央区日本橋室町1-6-7
カード:不可
予約:不可
予算目安:220円〜1000円
喫煙:不可
アクセス:東京メトロ銀座線ほか三越前駅A1出口より徒歩約1分

甘味処 初音(水天宮前)

手間ひまかけた味が待つ、江戸末期から続く休息場所

■名物メニュー:あんみつ/700円

あんみつは白蜜または黒蜜をかけて楽しむのが初音流。こしあんや寒天、それぞれの素材を味わいたいなら白蜜がオススメ。コクと深みのある特製の黒蜜をかければ、全体が調和した味わいを楽しめる。

絹のようなこしあんの滑らかさ、しっかりと風味を感じる寒天の味わい。1837年、江戸時代の末期から受け継がれる老舗の心意気は、看板メニューであるあんみつの細部にまで宿る。

使用する食材は北海道産の小豆、伊豆諸島の天草、沖縄諸島産の黒糖など、全国津々浦々から揃えた一級品。それを地下にある仕込み場で、熟練の職人が一切の手抜きなく丹念に仕上げて伝統の味を生み出すのだ。

煎茶を入れるための湯が沸く茶釜や、木のぬくもりを感じる純和風のしつらえも店の魅力のひとつ。江戸時代からの老舗茶屋でゆっくり過ごす情緒あるひとときを、いっそう豊かなものへと演出してくれる。

時代に合わせてメニューや空間は移り変わってはいるが、もてなしの精神が揺るがないからこそ、今日も『甘味処 初音』には常連客の往来が後を絶たないのだ。

営業時間:11:00〜20:00、日曜・祝日11:00〜18:00
TEL:03-3666-3082
休業日:無休
座席数:40席
住所:中央区日本橋人形町1-15-6五番街ビル1F
カード:不可
予約:不可
予算目安:1000円
喫煙:不可
アクセス:東京メトロ半蔵門線水天宮前駅8番出口より徒歩約1分

サンドウィッチパーラーまつむら(水天宮前)

あたたかな雰囲気に包まれ、多彩な個性派パンを楽しむ

■名物メニュー:スペシャルサンド/550円

多彩なメニューが自慢の店だけあり、サンドイッチの具材もバリエーション豊か。サラダをはじめ、 タマゴ、ツナ、メンチカツ、そしてデザートのフルーツ&生クリームのサンドまで、ちょっとしたコース気分で楽しめる。

「訪れる方々の嬉しそうな顔を眺めるのが健康の秘訣」と語るのは、今年で82歳になる3代目店主の松村守夫さん。経営は4代目の息子さんに継いではいるが、双子の兄弟である民夫さんとともに今だ現役で店を切り盛りする。

ちくわドックやフレンチ明太子、豪華な具材のサンドイッチなど、店内にところ狭しと並ぶ多彩なパン、その数およそ120種類。1921年の創業から100年近く、売上が伸びないものは新商品と入れ替え、新陳代謝を繰り返してきた結果のラインナップだ。

なかでも、創業当時から同じ製法で愛され続けているのがクリームパン。自家製カスタード、生地ともに驚くほど豊かな香りが漂うが「特別なものは入れていません。余計なものも入れていないだけ」という。シンプルながら深い味わいは、やはり100年続く歴史があるからなのだろう。

営業時間:7:00〜18:00、土曜7:00〜15:00
TEL:03-3666-3424
休業日:日曜・祝日
座席数:30席
住所:中央区日本橋人形町1-14-4
カード:不可
予約:可
予算目安:1000円
喫煙:不可
アクセス:東京メトロ半蔵門線水天宮駅8番出口より徒歩約1分

榮太樓總本鋪 喫茶室 雪月花 日本橋本店(日本橋)

四季を映す生菓子で優雅に和のひとときを

■名物メニュー:抹茶セット(上生菓子付)/810円

4種類の草木をモチーフとした生菓子は、月ごとの限定品。春はよもぎ、秋は栗など、それぞれ上品な甘みに、日本ならではの恵みが加えられている。

江戸末期の1857年、屋台で刀のツバをかたどったお菓子、金つばを売りだしたのが店のはじまり。以来、せっかちな江戸っ子向けに食べやすく改良した西河岸大福や、砂糖と水飴で作るシンプルな梅ぼ志飴など、数々の名物を生み出し、伝統を受け継いできた。

本店に併設された喫茶室ならではの楽しみが、四季折々の草花をモチーフとした生菓子だ。抹茶と合わせれば、甘みと苦味の鮮やかなコントラストが、舌を楽しませてくれる。

日本橋周辺を散策の際には、ぜひ立ち寄って風流なひとときを過ごしてみたい。

営業時間:10:00〜18:00(フードLO17:00※土曜はLO16:00、ドリンク、甘味LO17:30)
TEL:03-3273-6310
休業日:日曜・祝日
座席数:76席
住所:中央区日本橋1-2-5 榮太樓ビル1F
カード:可
予約:不可
予算目安:1000円
喫煙:不可
アクセス:東京メトロ 銀座線ほか日本橋駅B9出口より徒歩約1分

人形町 三日月座(人形町)

名作映画の会話が弾む、試写室併設の隠れ家風カフェ

■名物メニュー:麩レンチトースト/350円

タマゴと牛乳で和えたお麩を焼き上げ、ふわりとした食感に。季節のフルーツやアイスを添えて。デザートのみの注文は不可なのでドリンクと合わせてどうぞ。

オーナーの柏原寛司さんは『あぶない刑事』や『探偵物語』など、数々の人気作を手がけた名脚本家。地下1階に試写室、地上2階にカフェを併設し、映画ファンや業界関係者が足繁く通う隠れ家的なスポットとなっている。

カフェスペースを担当するのは、奥様である元演劇プロデューサーの久美子さん。日替わりのプレートメニューや手作りのスイーツが評判を集め、喫茶目的のお客さんも増えているとか。

落ち着いた雰囲気の店内には、懐かしい名作のポスターやキャラクターグッズが並び、自然と映画トークにも花が咲く。

営業時間:11:00〜18:00 ※シネマ倶楽部の日は上映後も営業あり(詳細は要問い合わせ)
TEL:03-3667-0423
休業日:火曜・水曜※臨時休あり
座席数:18席
住所:中央区日本橋人形町1-15-5 柏原ビル2F
カード:不可
予約:不可
予算目安:1000円
喫煙:不可
アクセス:東京メトロ日比谷線人形町駅A2出口より徒歩約1分

※昼のみ、夜のみのメニューを掲載している場合もあります。詳しくはお店へお問い合わせください。
※本記事に掲載されている情報は、2015年7月〜9月上旬の取材時のものです。配信後にやむを得ない事情により、掲載内容が変更になる場合もございます。あらかじめご了承ください。

ぴあMOOK『日本橋のおいしい店』

大人が楽しい街「日本橋」界隈のおいしいお店を1冊にまとめました。
巻頭特集は、このエリアの美食を支える七人に迫る企画。そのほか100余年の歴史を誇る老舗・手土産・名酒場などさまざまなお店を厳選セレクトして紹介しています。街の歴史がわかるコラムも掲載。保存版にしたいグルメガイドです。