母のもとへ…


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家財道具やランドセルはそのまま、学校にはピアニカも絵の具も置いたまま…。

小5の夏に、親友が母親と姿を消しました。

地域の民生委員を務めているカヨコは、赤ちゃん訪問でやってきたとある家でアカネという若いママと出会います。彼女を見た瞬間に思い出したのは、小学校時代の親友・ナルミのこと。

仲が良かったカヨコとナルミ。けれど、唯一の親友であったはずの彼女とその母だけが、ある日突然ひっそりといなくなった…そんな記憶が瞬時に蘇るほど、アカネはナルミに似ていたのです。

アカネは10代の若いお母さん。親戚も友達もいない土地で初めての子育てに苦労しているように見え、カヨコは親身になって彼女を助けようとします。

「かつて自分の前から忽然と消えたナルミの心の声を自分は聞いていただろうか」

「大人になった自分は、アカネに手を差し伸べることができるだろうか」

無縁社会に落ちてしまった母と子どもを葛藤しながら見つめる、セミフィクションコミックエッセイをお送りします。

※本記事はきむら かずよ著の書籍『その叫びは聞こえていたのに 消えた母子をめぐる物語』から一部抜粋・編集しました。

登場人物


■どんな親でも

わたしはこれで…


引きとめられ


…いて


ここにいて


お父さん…亡くなったんやで


ずっと気にかけていたんよ


帰ってきなさい


まずは家に帰ってきて


家のことも子育ても…


準備しなさい


ハイって言ったの?


来週引っ越すみたいです


誰にでも心を許しちゃうっていうか…


たくさん甘えた経験がないと


旦那さんに対しても


すがりたくなっちゃうのかもね


著=きむら かずよ/『その叫びは聞こえていたのに 消えた母子をめぐる物語』