「空前絶後!!!!」のハイテンションギャグで、客席を沸かせる印象が強かったお笑い芸人のサンシャイン池崎さん。いまや、保護猫活動や愛猫との様子が動画やテレビ番組でも放映され、違った一面も明らかに。ペットを飼うことは人の好きずきですが、飼ったからこそ知った多幸感、そして、周囲からの見る目の変化。池崎さんがじっくりと語ってくれました。

【写真】黒目がキュートなふうちゃん、らいちゃんと池崎さんとの「癒やされる」ほっこり日常(5枚目/全10枚)

子ども時代から猫が好きだったけれど

── 池崎さんは2018年に保護猫の風神・雷神を家族として迎え、その姿をSNSにアップして話題となりました。テレビ番組『嗚呼!!みんなの動物園』では、保護猫の一時預かりをする姿などが〝猫おじさん〟として親しまれています。写真や動画を見ているだけでも癒される猫たちですが、池崎さんが2018年に実際に猫を迎えたときはどんな思いがありましたか?               

池崎さん:子どものころから猫が好きで。九州の田舎で育ったんですが、近所をウロウロする野良猫をかわいがったりしていました。実家では父が猫嫌いで飼えなかったので、「いつか猫と暮らしたい」という思いはずっと胸にありましたね。

ただ、芸人を始めたばかりの2006年頃はお金がまったくなく、自分の生活だけで精一杯。当初は相方と2DKをシェアしていましたし、コンビを解散してからは狭い1K、それからユニットバス付きの7畳ワンルームでしたからね。「玄関開けたらすぐに部屋!」で(笑)。猫がのびのびと過ごせる環境ではありませんでした。2015年頃からありがたいことに芸人として稼げるようになり、生活が安定してきたので、「そろそろ飼えるな」と思って、猫を迎えることにしました。

──「ペットショップで見かけてかわいかったから」と、衝動的に飼い始めるパターンもありますが、慎重に考えていたのですね。猫を迎えるにあたって、どんな準備をしましたか。

池崎さん:まず、ペット可の物件を探して引っ越しました。不動産屋さんに勧められたのが、階段があるメゾネットタイプの物件です。最初は「階段の上り下りが面倒くさそうだな」とためらったのですが、「猫ちゃんは上下運動ができるほうが喜びますよ」と言われて。「たしかに、そうだな」と思ってその部屋に決めました。

ソファはボロボロも絶対的な癒やしに

── 引っ越しをすませ、ようやく家族として迎えた愛猫の風神ちゃん、雷神ちゃん。保護猫団体から引き取ったそうですね。どのようないきさつで2匹同時に引き取ることにしたのでしょうか。猫との暮らしが未経験なのに、2匹も迎えるのはためらってしまいそうですが…。

池崎さん:「猫を飼いたい」と友人に相談したところ、「行き場のない猫を保護している団体がある」と保護猫団体を教えてくれて。小さいころ野良猫と触れ合っていた僕にとっては、ペットショップではなく保護猫団体から引き取るのがなんだか自然なことに思えました。それで団体に問い合わせて、見せてくれたのがらいちゃん(雷神)の写真でした。

「この子だ!」と思って会いに行ったんです。そうしたら、ふうちゃん(風神)もそこにいて、これがまたかわいい。どっちもかわいくてどうしたものか迷っていたら、団体の代表の方から「仕事で外出することが多いなら、2匹で飼うと留守番中もさみしい思いをさせないので、おすすめですよ」とアドバイスをいただいて。少し悩みましたが、思いきって2匹一緒に引き取ることに決めました。

保護猫団体でケージの掃除などのお手伝いをすることも。「掃除後におやつをあげるのが、僕にとってもごほうびです」

── 実際に飼い始めてみて、感じることはありますか?

池崎さん:一緒に引き取ってよかったなと日々、実感しています。仕事柄、どうしても家を留守にすることが多いのですが、この2匹はめちゃくちゃ仲がいいんですよ。留守中も2匹でじゃれ合って楽しく過ごしているんだろうなと思えるので、出かけている間も安心です。

── 猫を飼うと、家具などへの爪とぎといった、いたずらも大変という話をよく聞きます。

池崎さん:2匹で元気に走り回ってはいましたが、コードをかみちぎるような大きなトラブルはなかったです。ただ、ソファだけはガリガリやられましたね(笑)。ソファの角がボロボロになりましたが、「まあ猫だし、こんなもんだろうな」と、腹を括っていたので、とくに止めたり叱ったりもしませんでした。

いたずらと言えば、パソコンで作業をしている時やゲームをしている時に、わざわざ目の前にやってきて甘えて邪魔をしてくることくらいですね。困るやら嬉しいやら、という感じです。

── ご自身のライフスタイルや精神面に変化はありましたか。

池崎さん:ものすごく早起きになりました。毎朝5時半になると、猫たちが起こしにくるんです(笑)。あと、仕事で疲れて帰ってきた後に、ふうちゃんを抱っこしていると、喉をめちゃくちゃゴロゴロ鳴らすんですが、その音を聞いているだけで癒やされます。らいちゃんはケツをポンポン叩かれるのが好きで、その時間も癒やされますね。猫は仕事のことなんて知りませんから、それがまたいいんです。

ふうちゃんとらいちゃんが家に来て、守るべき家族が増えた感じがします。それが「もっと仕事を頑張らないとな」というモチベーションにつながっています。

「猫好きに悪い人はいない」とファン層も拡大

── 飼っている2匹のかわいい写真や動画をSNSにアップして、バズったこともありました。ファン層や仕事に変化はありましたか。

池崎さん:ふうちゃんとらいちゃんをきっかけに僕を知ってくれた方が本当に増えました。それまでは「いつも叫んでいる芸人」という印象を持たれがちだったのですが、猫たちの姿をアップするようになってからは「じつは優しい人なんだ」「猫好きに悪い人はいない」という声も寄せられるようになりましたね(笑)。

ありがたいことに猫に関するテレビ番組にも呼んでいただけるようになり、ファン層の幅がグッと広がりました。とくに年齢層の高い方が好きになってくれたように感じています。猫たちのおかげだなと感謝ですね。

くるりと丸まり、くつろぐ風神ちゃん

── 愛猫たちとの生活も今年で8年目。猫は一般的には運動量が減ったり、感覚器が衰えたりするシニア期に入ります。様子に変化は感じますか?

池崎さん:甘えん坊度がなぜかものすごく上がりました。とくにらいちゃんは、年をとって、ますますやきもち焼きに。ふうちゃんを熱心によしよししていると、らいちゃんが僕の背後から忍び寄ってきて、首のあたりをガブッと甘噛みしてくるんですよ。「うーっ」って文句をいいながら、ガジガジ噛んでアピールしてくるのがたまらなくかわいいですね。

シニアになりましたし、これからはもっとこまめに健康診断を受けさせながら、末永く一緒に暮していきたいです。

取材・文:鷺島鈴香 写真:サンシャイン池崎