『50歳からのやめる美容はじめる美容: 肌・髪・体が変わる』より
仕事でのポジション確立、ひと段落した子育て。そして体や肌の揺らぎ。50代は、自分自身を見つめなおす時期なのかもしれません。

美容と健康を仕切りなおす

『50歳からのやめる美容はじめる美容 肌・髪・体が変わる』Gakkenは、大人としての輝きについて健康と美容の両方からアプローチ。著者の山田祥子さんは、「30年以上女性の肌と体を見続けてきた」セラピストにしてエステ講師。女優やモデルなどの顧客も多いそうです。

40代、50代と年齢を重ねていくと、どうしてもあちこちに不調が出てしまうもの。とはいえ、若さをキープしている人がいるのも確か。そんな方々の共通点は「流行りの美容情報に流されることなく、基本的なスキンケアと、必要な栄養素の補給をコツコツと行っていること」と本書はこたえています。

心と体を健やかに保つのは、年齢に合わせたケアが必要不可欠。まずは本書にならって、肌の土台作りに励んでみませんか。

◆クレンジングが肌を左右する

シミやシワのない肌は皆の憧れ。しかし、誰にでも平等におとずれる老化に逆らうには限界があります。本書が考える大人の美しさは「健康感」。多少のシミやシワがあっても、ハリや透明感があれば魅力的ですよね。

ホルモンバランスの崩れや代謝の低下など、大人になるにつれ体も肌もデリケートになります。スキンケアのラインナップは増えても、種類や使い方までアップデートしている方は少ないのではないでしょうか。

最初に「やめる」べきは「雑なクレンジング」です。「額のクレンジング不足は、目周りのシワやたるみに影響を与えますし、鼻の下のクレンジング不足は、口元の梅干しジワの出現につながります」という、衝撃の事実が本書で語られています。

ただし過剰に肌をこするのも厳禁。肌の角質は顔の場所によって異なる、というのがその理由です。

◆メイクは落とし、角質は落としすぎない

角質が厚くなりやすい場所は、額、眉間、鼻、小鼻、鼻の下、顎。反対に角質が薄くなりやすい場所は、頬。本書いわく、クレンジングに使用するのは、「中指と薬指の指の腹」。本書ではこれを「指センサー」と呼んでいます。

今まで私は、人差し指と中指、あるいは手のひら全体でクレンジングを行っていました。これを中指と人差し指の腹に変えてみたら、驚くほど感触が違うのです。特に薬指の腹は、肌へのあたりがやさしくて心地よく、どの部分がやわらかいのか、あるいはかたいのかがわかります。これぞまさに「指センサー」。肌の負担が軽減された印象です。

ちなみに50代から「やめる」のを推奨するのが、オイルタイプのクレンジング。なぜなら「汚れ落ちはよくても必要な皮脂も奪いやすい」という特性が、オイルクレンジングにはあるのです。洗いあがりがしっとりするタイプも、「表皮に油膜や保湿剤が残るので、次に使う化粧品の浸透を妨げ、皮脂代謝を低下させることも」。

理想は低刺激で汚れ落ちのよいミルクタイプ。肌の調子がいまひとつ、と悩んでいた方は、クレンジングを見なおしてはいかがでしょうか。

◆ターンオーバーについての誤解

年齢を重ねるごとにターンオーバーが悪くなる、といわれていますよね。毎日クレンジング&洗顔をしていても角質が残るという心配から、ピーリングやスクラブなどで定期的にケアしている方もいると思います。

しかし本書は「逆に角質を取りすぎて皮膚がとても薄くなっている方が多いのです」と指摘。「古い角質を除去すると、皮膚がなめらかになりシワが目立ちにくくなる効果が期待できる」と前置きしたうえで、過度な角質除去ケアは「やめる」のを薦めています。

「50代からは穏やかに角質を除去するクレイマスクや、AHA(フルーツ酸)配合の洗顔フォームなどをたまに取り入れるだけで十分」と本書。無理はしたくない、ナチュラルに年を重ねたい。でもキレイはあきらめたくない。そんな世代のケア方法は、やさしさをベースに行いましょう。