不動産会社の女性経営者が教える!部屋の設備でわかる「選んではいけないNG物件」
初めてのひとり暮らし、部屋選びは後悔したくないですよね。今回は、働く女性がひとり暮らしをするときに知っておくべき「選ばない方がいい専有設備」について、女性に特化した不動産会社を経営する 平出雅美さんに教えてもらいました。プロからのアドバイス、ぜひ物件選びのヒントにしてください!
不動産会社の女性経営者が教える! 物件探しの前に知っておくべき「選ばない方がいい専有設備」
【女性が知っておくべき「賃貸物件」基本のき】vol.37 ※主に東京都内、近郊のワンルーム程度の賃貸物件が対象です。
――まずは初めてひとり暮らしをする人に向けて、”専有設備”について教えてください!
平出さん 専有設備とは、キッチン、トイレ、浴室、ディスポーザー、備え付けの食洗機など、賃貸物件を契約したら自由に使用できるスペースのことです。マンション内のスペースは、”共用設備”と”専有設備”に分けられています。共用設備は、マンションの住民でシェアして使用する場所のことで、エントランスや駐輪場や駐車場、ゴミ置き場など。バルコニーは専有設備と思われがちですが、火災時などの非常時に避難通路として使用されるため、共用設備となるので覚えておいてください。
――ディスポーザーとはなんですか?
平出さん ディスポーザーとは、キッチンのシンクの排水口についていて、生ごみを排水口に入れるとそのまま細かく粉砕して水道水と一緒に流してくれる設備のことを指します。ディスポーザーがあることで、生ごみの嫌な匂いもなくなりますし、シンクの掃除も楽になるため人気の設備ですが、導入コストや定期的なメンテナンスが必要になることもあり、ひとり暮らしを想定したサイズの物件には備え付けられていないことがほとんどです。
ディスポーザーがついていない物件であれば、コンパクトな家庭用の生ごみ処理機で代用するのも手。生ごみ処理機を使うことで水分がとび、生ごみの減量に繋がりますし、自治体によっては購入時に助成金がでる場合もあります。
――備え付けの食洗機がある物件は、少ないですか?
平出さん ファミリー向けではなく、ひとり暮らしのかた向けに作られた物件では、キッチンスペースが限られているためディスポーザー同様、設置されていることは珍しいです。住んだ後に食洗器を設置するとなると設置の手間とコストもかかりますから、食洗器を置きたいと考えている人にとっては、あらかじめ備えついている物件に住んだ方がメリットは大きいと思います。
――女性のひとり暮らしの場合、選ばない方がいい”専有設備”の物件はありますか?
NG1. 「室外洗濯機置き場のある物件」
平出さん 近年少なくなっている専有設備ではありますが、部屋の外に洗濯機置き場のある物件はできればやめておいた方がいいです。私自身、室外洗濯機の物件に住んでいたときに下着泥棒に遭ったことがあります。室外とはいえ住民しか入れないスペースだったため油断していました…。盗難以外にも、夜間は音や振動が響くため洗濯機を使えなかったり、雨風にさらされるため故障しやすいことも。
NG2. 「収納が極端に少ない物件」
平出さん デザイナーズ物件などに多いのですが、見せる収納がメインの収納スペースだったり、収納が少ない物件はオススメしません。初めてのひとり暮らしの際、収納が少ない部屋を選んでしまい、収納家具を追加で設置したら結果的に部屋が狭くなってしまい後悔してしまったという方もいます。シューズクローゼット、クローゼット、キッチン部分の収納にゆとりがある物件を選ぶと安心です。
NG3. 「浴室乾燥がない物件」
平出さん なければ生活できないというわけではありませんが、浴室乾燥は、あることで生活が快適になる専有設備の一つです。花粉症の方や、道路沿いなどで外干しに抵抗があるというかたにとっては、浴室乾燥機があることで解決しますし、浴室に濡れたままの洗濯物を干すと数時間で乾き、洗濯乾燥機と違ってしわにもなりにくく便利。乾燥機付き洗濯機は購入するとなると高額ですし、冬の時期に感じやすい浴室の寒暖差も防ぐことができます。
――専有設備にこだわっても、家賃を抑えることはできますか?
平出さん 設備が充実している物件はどうしても家賃が高くなります。また、築浅物件の方が専有設備が充実していることが多く、築年数の経っている物件よりも、家賃が高く設定されている場合は多いです。ただ、必要な設備は住む人によって異なるもの。あまり自炊しない人であればコンパクトなキッチンを選ぶ、お風呂に浸からない人はシャワーのみの物件を選ぶなど、自分にとって不要な設備を把握して物件探しを始めることで、予算内でスムーズに自分にとって快適なお部屋を見つけることができます。
賢くひとり暮らしをするために知識を貯めておこう
いかがでしたか。初めての物件探しは慎重に丁寧に。引っ越しを検討している人は、自分に必要な専有設備は何なのか、必要ないものは何なのか、今回のポイントを参考にして検討してみてください。最近は最新家電を専有設備として試せる賃貸物件もあり、使ってみたかった家電を試すこともできるそう。買う前に試すこともできて、便利なシステムですね。
教えてくれた人株式会社東京女性不動産 代表取締役社長 平出雅美さん
宅地建物取引士所持。不動産歴3年目、2021年11月に「東京女性不動産」を開業。東京女性不動産は、安心してお部屋探しができることを第一に、相談から契約まですべて女性スタッフが担当。女性一人での東京のお部屋探しを、女性ならではの視点で親身にサポートしています。LINEでの相談もできます。安心して新生活を始められるように、ストーカー保険の提案やRefaプレゼントなどのサービスもあって、さすが女性にやさしい! 電子書籍「宅建の教科書」がKindleにて好評発売中。
文・市岡彩香anan web、anan Beauty+を中心に活動するフリーライター。KALDIやシャトレーゼなどに詳しく、週7で自炊をするグルメ女子。これまでに取材した人数はタレントや経営者を含め500名以上。フード、取材記事をメインに執筆中。
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文・市岡彩香