特殊な縫製と構造で作り上げた「COLONISTA」オリジナルシェード

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近年のアウトドアブームでキャンプスタイルの多様化が進み、キャンプ用品の需要が急増するなか、SNSを中心に話題になっている山形県庄内町発のアウトドアブランドがある。その名は「COLONISTA(コロニスタ)」。主商品であるランタンシェードは、キャンプにはもちろん、インテリアとしても活躍。独創的かつ馴染みやすいデザインが人気となっている。商品の魅力の根源、地方で作り上げる真意について取材してきた。

【写真】「COLONISTA」の人気No. 1ランプシェード「CONPE10」

■SNSで応募殺到中!大人気ランタンシェード「CONPE10」

「COLONISTA」はオンライン販売をメインとするアウトドアグッズのブランド。主要商品はLEDランタン等の照明器具のカバーとして使用するランタンシェード「CONPE10(コンペイトウ)」(1万3900円)で、アウトドアシーンでの利用はもちろん、自宅のインテリアや贈り物としても人気の商品だ。ブランド名である「コロニスタ」とは、コロニストを由来とする「開拓者」という言葉より名付けられた。未開拓の地に新たな風を吹かし、新たな産業の開拓を進めている「COLONISTA」を物語っているようだ。

同ブランドの看板商品である「CONPE10」は、お菓子の“金平糖”の形をモチーフにして作られたランタンシェードだ。大きさは縦・横・高さ各約180ミリの立方体サイズ。素材はX-PACという防水ナイロン製の生地を使用し、軽量で耐水性にも優れているためさまざまなアウトドアシーンに利用されている。

しかし、「CONPE10」はただの金平糖の形をしたランタンシェードではない。

「CONPE10」本体の内部に照明器具を入れると、本体の隙間から漏れる光がその場の空間を幻想的に演出。照明器具としてはもちろんだが、空間の価値をあげるようなおしゃれな間接照明としても活躍する。同ブランドのデザイナーは「シンプルな発想で、かっこよくて良いものを作ろうという思いだった」と商品開発の起点を話す。

■すべてハンドメイド。地方ならではの生産スタイル

製造においては、商品すべて人の手で一つひとつ作るハンドメイド製造にこだわっている。工場生産ができないことから生産量には限界があり、常時在庫を持ちながら販売することは難しいため、定期的に自社ホームページで抽選販売を行っている。

COLONISTA代表の森屋稔洋(としひろ)さんは、関東で美容師として約10年間働き、地元へUターン。美容師として2年ほど働いたあとに、別業種である広告代理店に転身し法人を設立。他社の製品やサービスのPRを続けていくうちに、「私たち独自の商品を世に出したい」との思いが沸々と湧き上がってきたそう。

そんな時に地元の友人である五十嵐秀和さんと「ものづくりを通して地域を盛り上げることができるのでは?」と意気投合した。

現在COLONISTAでデザインを担当する五十嵐さんは、長年DIYなどのモノづくりを趣味にしていたキャンパーであり、自分自身が欲しい物で、アウトドア愛好家からも認められるようなアウトドアグッズを作りたいという想いがあった。キャンプグッズをチェックしているなかで「CONPE10」のアイデアがひらめいたという。

また森屋さんはもともと「山形の人はとても真面目でスキルが高いにも関わらず“MADE IN 山形のモノづくり”が過小評価されている」との思いが強くありもっと評価されていいはずだ」と感じていた。それらを自らのブランドで体現すべく、2021年に「COLONISTA」を立ち上げた。ちなみに、ブランドのモットーは「人生は壮大な遊びだ」である。

開業当時、国内外にある数多くの工場に製造依頼をするものの「CONPE10」が複雑な構造となっていることから工場側との採算が合わず、工場の確保ができずにいた。そんなとき、隣町の縫製工場が閉所したという情報が入ってきた。さっそくその縫製工場で働いていた職人達に本商品の製造を依頼したところ、製造ラインを確保することができた。現在はその縫製工場で働いていた職人にさらに数名をプラスし、地元庄内の有志の手によって製造を依頼して生産を行っている。

森屋さんいわく「縫製経験が非常に豊富でスキルがかなり高い、いわば縫製職人のオールスターのようなメンバーです」とのこと。

関東で行われたアウトドアグッズの展示会での出合いがきっかけで、アメリカの老舗ブーツブランド「Danner(ダナー)」とのコラボが実現。ブランドの知名度に大きな差があることから何かの間違いなのではないかと耳を疑ったが、2022年4月にDannerとのコラボレーションランタンシェード「CONPE10」をホームページ限定で販売した。発売後、まさかの1分で完売するほどの大盛況となった。

■「CONPE10」に続く新商品「OMAN10」

今後の商品展開について、「現状はCONPE10がメインですが、第2弾の商品も作りました」と森屋さんは話す。その新商品が「OMAN10(オマンジュウ)」 (1万2700円)。

「OMAN10」は、「CONPE10」と同じランタンシェードだが、デザイン面が新たになったモデル。「CONPE10」と比較すると、全体的に角が増え、ボールのような形状に近付いているのが特徴。アクセントに一部色を変えたことでおもちゃのような柔らかい雰囲気となっている。

「OMAN10」という名前は「“コンペイトウ”みたいな響きにしたいと考えた時にたまたま思い付いたのが“お饅頭”であり、インスパイアされたとのこと。

丸っぽくお菓子のような愛らしさがポイントで、馴染みやすい名前が印象に残りそうだ。「OMAN10」も既に公式ホームページにて販売されている。

現在は2商品「CONPE10」、「OMAN10」を主力として販売展開を行っているが、今後も意欲的に新商品開発を進めていく予定。ランタンシェードをはじめ、アウトドアでの使用を目的としたさまざまな展開を進めていくそう。他ブランドからコラボレーションの話も多く来ており、「期待してください!」と森屋さん。今後も「COLONISTA」の動向に目が離せない。

取材・文=五十嵐克嗣

※公式サイトで定期的に開催される抽選販売が主な購入方法となっており、販売情報はすべてInstagramにて告知を行っています。また、国内のアウトドアショップへ卸売も行っていることから、一部のアウトドアショップでも購入可能ですが、取扱店舗は少なく、手にとって見られるお店は限られています。

※運営・施設の了承を得て、撮影時のみマスクを外しています。

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