コロナ禍を機に、マイカーを所有する人が増えているそうです。しかし、一体どれほどの人がコロナ前とコロナ後の間に車を買ったのでしょうか?今回は、ナイル株式会社によるアンケート調査をもとに、具体的な数字から人々の移動手段の変化を見ていきましょう。

公共交通機関でのクラスターは現在のところ報告されていませんが…。

コロナ前は自家用車が4割、公共交通機関が3割だったけど…

全国の男女2000人以上に「新型コロナ流行前に主に利用していた移動手段は何ですか?」と質問したところ、もっとも多かった回答は「自家用車」で40.2%、次いで「公共交通機関」で31.9%でした。都心や地方都市では電車やバスのほうが移動しやすいかもしれませんが、全国的には車を利用する人のほうが8.3%多いということがわかります。

公共交通機関が充実している都会では、自家用車を必要としないケースが多くあります。

続いて、コロナ後である現在の主な移動手段について聞いたところ、「自家用車」と回答した人はコロナ前より3.7%増えて43.9%に、「公共交通機関」と回答した人は5.5%減り26.4%という結果になりました。自家用車の利用率が上がり、公共交通機関の利用率が下がったことが、具体的に数字にするとより明確にわかります。

公共交通機関を利用することで感染リスクが上がると考えている人が少なくないようです。

また、先の2つの円グラフの中から、自家用車・公共交通機関以外の移動手段の割合を合計しコロナ前とコロナ後で比較したところ、コロナ前は27.9%なのに対しコロナ後は29.7%と1.8%増加していました。わずかではありますが、これまで公共交通機関を利用していた人が徒歩や自転車などに切り替えていることが伺えます。車での移動が難しい都心部などではこの動きが多そうです。

移動手段の変更理由、「その他」には意外な事情も

テレワークやオンライン授業の普及も、公共交通機関離れにつながっていることが分かります。

公共交通機関の利用を減らした理由を聞いたところ、もっとも多かった回答が「感染予防のため」で47.3%でした。やはり多くの人が電車やバス内での感染に警戒しているようです。2番目に多い理由も「外出自粛のため」が27.3%。感染拡大によって気軽に公共交通機関を利用しづらくなったことが背景にあることがわかります。さらに、ここでの「その他」に含まれる理由は「利用していたバスの便数が減ったため」などがあり、公共交通機関を利用したくても利用できなくなったしまった人もいることがわかりました。ひとえに「新型コロナが原因」と言っても、移動手段を変えた人の背景には様々な事情があるようです。

【調査概要】
調査主体:ナイル株式会社(https://nyle.co.jp/company/about)
調査対象:全国の男女2170人
調査期間:2021年12月27日〜2022年1月10日