未成年に対する性的虐待の疑いで提訴されている、アンドルー王子。アメリカ人のヴァージニア・ジュフリーさんも、王子からの性的虐待被害を訴えている女性の一人。

「多大な精神的苦痛」に悩まされ続けているというジュフリーさんに対し、王子側は一貫して事実無根を主張してきましたが、民事訴訟の継続が決定し、王子側の行動に批判の声が集まっています。

原告側に精神疾患の疑いを主張

問題視されたのは、性的虐待のみならず、精神的苦痛に対する損害賠償を求めたジュフリーさんに対して、アンドルー王子の弁護団が「誤った記憶に苦しんでいるのではないか」とし、ジュフリーさんに精神疾患の既往歴開示を要求したこと。

王子の弁護団は、ジュフリーさんに精神障害の疑いがあるとし、ジュフリーさんの精神科医であるジュディス・ライトフット先生への調査を要求。ジュフリーさんとのカウンセリングで取ったメモや診療情報の開示を求めました。

王子側の申出を受けて、ジュフリーさん側は王子側に「ヴィクティム・ブレーミング(被害者非難)」と「ガスライティング(心理的虐待)」の被害を告発しています。

専門家の意見

一連の流れから原告を支持し、王子側の主張に批判的な意見を発表をしたのは、法律の専門家たち。

ケンブリッジ大学の学者で、女性に対する暴力を専門とする法廷弁護士のシャーロット・プラウドマン先生は<スカイニュース>に対し、次のように指摘しました。

「王子側の行動はまさに、ヴィクティム・ブレーミングとガスライティングにあたります」
「プライバシーが厳守された空間だからこそ、原告はカウンセリングのなかで、最もパーソナルな内容を打ち明けたのです」
「しかし、王子側はそれを利用して、彼女の主張や、その信憑性を傷つけようとしているようにも見えます」
「もし記録が操作された場合、原告は多大な被害を受ける可能性があり、恐らくそれはトラウマにも繋がるでしょう。これは虐待の一種で、最悪のケースです 」

一方、アンドルー王子に近い情報筋は<スカイニュース>に対し、「王子側の弁護団は、ジュフリーさんの主張を調査する権利がある」とし、次のようにコメント。

「ジュフリーさん自身が、性的虐待のみならず、精神的苦痛に対する損害賠償を求めたことで、彼女のメンタルヘルスが問題視されるようになりました。王子の弁護団は彼女の精神状態を調査し、セラピストとの相談内容を知る権利があるのです」

一連の騒動から、軍役職と「殿下」の称号の使用権を失ったアンドルー王子。今後の展開に、より一層注目が集っています。

※この翻訳は抄訳です。

Translation:YUUMI IKEUCHI

COSMOPOLITAN