社会から押し付けられる規定や価値観から解放され、自由に作品を制作している女性クリエイターたちがいます。彼女たちはどのような思いで作品を作り、女性としてアーティストとして生きているのか、インタビューしてみました。

抑圧を武器に男根社会と戦う主婦アーティスト 増田ぴろよ

男性器をモチーフにした手芸やテキスタイル、漫画など幅広い制作を行う増田ぴろよさん。女社会で育ち、結婚を機に社会からの「主婦」としての見られ方や、目先の幸せだけを謳う主婦のほっこり文化に狂気を感じたという。

「結婚前は散々恋愛やモテ、セックスネタを漁っていた女性たちが結婚した途端にペニスを無かったかのように振る舞う。私たちを傷つけ脅したペニスを忘れるなというメッセージです。戦争を忘れるな、と同じ平和を願う意味だと思っています」と制作の意図を話す。「男性からはだいたい嫌悪感を示されますが、嫌悪される理由が知りたくなる。それは男性も男根至上主義に抑圧されているからではないだろうか。でも、嫌われたりディスられたりするほど、それに反応したものを作りたくなる。抑圧で輝くタイプだと言われます」と淡々と語る。

逆に女性、特に主婦からは「手芸」というキーワードもあって反応は良いと言うが「もともと手芸といった母性が強すぎるものには嫌悪感があった。主婦嫌悪から始まったのに、だんだんと男根至上主義的な社会で刷り込まれたタブーで揺さぶられる男性に向けて作っています」。社会からの投げかけに対して制作を通して自分なりの答えを出していくという彼女。抑圧さえも武器にしたその作品スタイルは、今後更に進化していく魅惑の可能性を秘めている。

●「八丈島スーサイズ 」
2014年8月13日@八丈島企画「大森靖子の夏休み」にて舞台美術・衣装を担当
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(編集部)

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