「いつまでも若々しくいたい」「美しくなりたい」と願うのは世の女性の常だ。そのためにエステやダイエット、美容グッズで努力を惜しまない人は多い。周りを見渡すと、既に華奢な体なのに常に「もっと痩せなきゃ」と強迫観念の如く呟いている女性や、皺の1本が許せずにアンチエイジングに相当な費用をつぎ込む人というのは結構いるものである。

ありのままの自分の美しさに自信を持ってほしい

「Stop The Beauty Madness」(美容狂気を止めて)と題されたアメリカの広告キャンペーンは、そんな美容に狂う女性たちに対して、「ありのままの自分の美しさに自信を持ってほしい」と訴えている。女性作家のロビン・ライスさんが、女性の価値は内面の美しさであることを訴えるために始めたこのセンセーショナルなキャンペーン、ポスターの種類は全部で25パターンあり、そこには美容に関する強烈なメッセージが記されている。

例えば、ふくよかで健康的な体型をした女性の横には「この写真は何かおかしいですか? 全くおかしくありません」と書かれ、痩せていることが良いとされるような現代の風潮に一石を投じている。

また、年を重ねた女性の横には「老いることは醜いことではない。(美しさが内側に隠れて)見えなくなるだけだ」というメッセージ。日本でも20代に見える50代など、年齢より若く見える「美魔女」がブームになって久しいが、いくつになってもひたすら若くありたいと狂信的に思う女性たちに、「人間らしい美しさとは何か」をストレートに投げかけている。

自分らしい美を磨いていく大切さ

このポスターに関する記事がアメリカのインターネット新聞『ハフィンストン・ポスト』に掲載されるやいなや、Twitterでは1,000以上のツイートがされ、Facebookでの「いいね!」数も5万を超えるなど、一般ユーザーへの影響力の高さがうかがえる。「#StopTheBeautyMadness」とハッシュタグが付けられたTwitter上のコメントには、

・なんて素敵なキャンペーンなんだろう! 私たちの見た目は自分が思っている以上に、ちゃんと価値があると思う
・美しさは雑誌の中ではなく、心の中にあるよね
・私たちは自分の娘に、本当の女性の価値について何を教えられるだろうか
・今の時代にはこういう考え方が必要だよね
・女性の皆さん、あなたらしく自分自身を愛してください!

などといったコメントが、特に女性たちから多数寄せられている。

美魔女もそうだが、現代の日本人女性は海外の人からはとかく痩せすぎていると評されることが多い。モデルや芸能人に憧れ、美への努力を惜しまないことは悪いことではないが、健康管理以上の過度なダイエットで自分自身の本当の美しさを見失うことの方が恐ろしい。このキャンペーンは、他人の価値観ではなく“自分らしい美しさ”を磨いていく大切さを、全世界の女性たちに教えてくれるものだろう。

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(編集部)