特別展「手塚治虫×石ノ森章太郎 マンガのちから」が東京都現代美術館で開催中/(c)手塚プロダクション (c)石森プロ

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特別展「手塚治虫×石ノ森章太郎 マンガのちから」が東京都現代美術館で開催中。“マンガの神様”として現在のマンガ文化の礎を築いた手塚治虫。そしてそのマンガ道の後輩として新たな世界を作り上げた石ノ森章太郎。この2人の作り出した親しみやすいイメージとユニークなキャラクター、普遍的なテーマを含んだ物語は、今もなお人々を魅了し続けている。今特別展は2人の歩み、作品に込められたメッセージを、「鉄腕アトム」「ブラック・ジャック」や「サイボーグ009」「仮面ライダー」といった代表作の原画や未使用・未発表原稿、様々な映像などで振り返りながら、“マンガのちから”の源流を探るという内容。さらに大御所から若手までさまざまなアーティストによる2人へのオマージュ作品も展示する。プロローグから第1〜4部で構成。

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■プロローグ ここから はじまり

戦後の子供たちを元気づけ、今や日本発の世界的な文化として成長したマンガ。このコーナーでは、現在のマンガの地位の確立に大きく貢献した手塚治虫と、それに呼応しマンガを育て上げていった石ノ森章太郎の、それぞれ2人がつくったマンガの“始まり”と、世界的な文化として成長したマンガの“今”を象徴的に展示。

■第1部 2人の出会い マンガ誕生

1952年、手塚と石ノ森は、雑誌「漫画少年」で運命的に出会う。第1部では、2人の青年期に描かれた作品や、当時のエピソードなどを通じて、手塚治虫の生んだストーリーマンガと、それに影響を受けてマンガの道を志した石ノ森章太郎の“マンガ黎明期”を展覧。さらに戦後日本を代表するマンガ家が集い、伝説的逸話が数多く生まれた、東京都豊島区にあったマンガ家アパートのトキワ荘を、展覧会場内に建築で再現しているのが見ものだ。

■第2部 爆発するマンガ 時代への挑戦

激動と発展の昭和から、平成へ。めまぐるしい変化に柔軟に適合しながら、“マンガ”も発展した。第2部では、マンガ雑誌が月刊誌から週刊誌へ、さらにはアニメーションやメディアミックスなど、時代の変化に表現を即応させ、マンガを進化させていった2人の足跡を、当時の記録映像や関係資料とともに立体的に解説。

■第3部 “ちから”の本質対決

2人がマンガで表現したテーマは、「人間」「生命」「未来」「哲学」など、現代でも色あせない人類にとって普遍的なものだった。2人の作品でマンガは、“こどもの読み物”を超えた、文化の担い手として足りうる表現手段となる。第3部では、手塚と石ノ森が、それらのさまざまなテーマをどのように描いたかを両者の対比の中で紹介する。

■第4部 未来へ生き続ける“ちから” 現代作家によるオマージュ作品集

国内外の現代作家が制作した2人へのオマージュ作品を展示。「テルマエ・ロマエ」のヤマザキマリの作品は富士山をバックに露天風呂で島村ジョーとブラック・ジャック、ルシウスが共に湯につかるという内容!ほか羽海野チカ、小畑健、藤子不二雄(A)、松本零士、やなせたかしらが2人にオマージュを捧げたユニークで楽しい作品を仕上げている。さらに、さいとう・たかを、原ゆたか、水木しげるらは2人にちなんだマンガを展示。