ホンマタカシ「ニュー・ドキュメンタリー」 東京でのサテライト展 by林央子

東京オペラシティ アートギャラリーで開催中のホンマタカシ「ニュー・ドキュメンタリー」展にちなんだ東京ならではのハプニングとして、GW前後に同時多発的に9カ所で関連イベントや展示「Satellite 9」が行なわれる。美術館の展示と街の中での展示を両方、体験してほしいというのがホンマタカシの意図でもある。

1　Gallery 360°
ギャラリー360°はホンマタカシが活動の主軸とするギャラリーであり、美術館の個展展示にも深い協力関係にあるギャラリー。4月25日（月）〜5月21日（土）には、ホンマが今までに制作した数種類のポートフォリオを展示・販売。オリジナルプリントを購入できる。

2　UTRECHT / NOW IDeA
表参道のユトレヒトでは4月26日（火）から5月15日（日）まで、田幡浩一ほか若手作家10名がホンマタカシ写真をつかって制作したZINEやポスターの展示販売。ユニークなのは、その場で制作・製本されるZINEを買えること。この期間、ユトレヒト内にZINE制作機械が持ち込まれるという。

3　BEAMS HARAJUKU
ビームス原宿2階では4月28日（木）〜5月15日（日）、山をモティーフにした大型作品の展示のほか、〈THEATRE PRODUCTS〉〈WHITE MOUNTAINEERING〉〈EATABLE OF MANY ORDERS〉とのコラボレーションによるファッション小物を販売EATABLE OF MANY ORDERSの木と革をつかったiＰhoneケースは存在感の強いアイテム。誕生のエピソードとしてはホンマがブランドを気に入った経緯である、彼らの革製品づくりへの共鳴、とも結びついている。

4　PAPIER LABO.
紙と紙にまつわるこだわり文房具や、活版印刷による出版物を扱う千駄ヶ谷のショップ パピエラボでは、1枚の山の写真から凸版を作り、活版印刷機で印刷。4月28日（木）〜5月15日（日）に展示「OUR MOUNTAIN」とその販売を行なう。展示と同じ写真を使い、オフセット印刷で本も制作する。

5　Center for COSMIC WONDER
青山のセンターフォーコズミックワンダーでは4月29日（金）〜6月26日（日）、1991年から1992年にかけてホンマがロンドン滞在時に撮影した初期作品を展示。店舗に至る通路の白い空間では写真を加工した映像作品を上映する。i-Dでの仕事などと並行して自身の作品を撮りためていた時期のもので、これまでまとまって展示される機会はほとんどなかったため初めて目にする人が多いかもしれない。

6　gallery koko
恵比寿の「ギャラリーここ」では4月30日（土）〜5月15日（日）、金沢21世紀美術館で話題を呼んだ、双眼鏡で写真を見る体験装置「Ｓeeing Ｉtself」を再現。金沢では山岳写真を覗く展示だったが、こちらは建築の写真シリーズになるということで、期待される。

7　limArt
恵比寿リムアートでは5月2日（月）〜5月15日（日）、書店内でホンマタカシのミニプリント「between the books[Mushroom...]」を展示・販売。

8　THE CRACKER / GARAGE
ホンマ自身が長年愛用し、過去に『relax』誌面でも紹介してきたデニムブランド「クラッカー」の渋谷にあるショップでは、5月7日（土）〜22日（日）、ハンドメイドなミニ写真展。ホンマの1997年刊の写真集『Hyper Ballad―Icelandic Suburban Landscape』（SWITCH刊）に載っている写真などを展示。

9　epSITE
新宿のエプサイトギャラリーでは5月13日（金）〜5月26日（木）、インクジェットプリンターからプリントがそのまま出力される過程を含めた作品の展覧会「ユキ under construction」を開催。5月14日（土）14:00〜16:00には「たのしい写真　よい子のための写真教室」（青山ブックセンター本店・2/11-4/16全5回）選抜生徒による inkjet print ワークショップ・ライヴを参観できるイベントを予定。

text / nakako hayashi

■ホンマタカシ　ニュー・ドキュメンタリー関連企画「Satellite 9」
今回、この「Satellite 9」に参加するギャラリーやショップを廻るスタンプラリーも開催。各会場に設置されたスタンプを9つ集めると、ホンマタカシ氏からのプレゼントがある。

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