ー女の市場価値は27歳がピーク、クリスマスケーキの如く30歳以上は需要ゼロ、なんて昭和の話でしょ?ー

20代の女なんてまだまだヒヨッコ。真の“イイ女”も“モテ”も、30代で決まるのだ。

超リア充生活を送る理恵子・35歳は、若いだけの女には絶対に負けないと信じている。

周りを見渡せばハイスペ男ばかり。デート相手は後を絶たず、週10日あっても足りないかも?

だが、仕事もプライベートも絶好調であった彼女の人生が、徐々に狂い始めていく...。

あけましておめでとうございます。昨年・2018年のヒット小説総集編、「35歳のヤバい女」一挙に全話おさらい!



第1話:27歳が女のピークなんて、昭和の話でしょ?30代女が、若い女より俄然モテる理由

「理恵子ってさ、会うたびに綺麗になるよな。こんな美女と金曜の夜にデートできるなんて、俺ってば幸せな男だなぁ」

敦史の言葉を微笑と共に軽く受け流しながら、理恵子は食前酒のプロセッコのグラスに口をつけた。

白金のプラチナ通りの裏路地にある隠れ家風イタリアン『ロマンティコ』は二人のお気に入りで、頻繁に訪れている。

「やっぱり女性はさ、知性と大人の色気がないとダメなんだよ。会社の若いOLたちなんてさ、お決まりの薄っぺらい“さしすせそ”攻撃で下心が見え見えでさ...」

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第2話:“高嶺の花”の悲劇。30代エリート男が、若くダサめなCA女で妥協した理由

―なんで、敦史がこんな女と...。

会うたびに「若い女より、色気も知性もある大人の女が好き」と理恵子にへつらっていたにも関わらず、敦史はなぜこんな典型的な若いだけの女を選んだのだろうか。

いや、茜は早とちりなところがあるから、ひょっとするとガセネタかもしれない。

ーえ?!?!

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第3話:モテる美女に長年恋人がいないのはナゼ...?再会した元彼の、キツい酷評

―これからも今まで通り、理恵子に会いたいんだー

敦史の言葉を思い出すたび、理恵子の胸には煮えたぎるような怒りが込み上げる。

これが、26歳の若い女を妊娠させた男のセリフだなんて信じられない。それだけでなく、この言葉は紛れもなく理恵子に向けられたものなのだ。

―なんでこの私が、敦史の愛人なんかに成り下がると思われるのよ...?

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第4話:「ヒマかよ?」深夜の呼出しに華麗に応じる自称“イイ女”の、残念すぎる市場価値

「なぁ...俺たち、もう30歳だろ。そろそろ結婚を考えようよ」

そして、ついに新太郎が“結婚”という言葉を発したとき。

驚きや戸惑いという感情よりも、理恵子は全身にゾワッと激しく鳥肌が立ったことをよく覚えている。

しかしその7年後、同じ男が自分に向かって「ヤバい女」と害虫でも見るような目で言い放つなど、一体誰が想像できただろう?

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第5話:20代“妊婦サマ”との修羅場。対抗心MAXの独身女が、戦意喪失した意外な理由

彼女は突然の電話にて、半ば無理矢理に理恵子を呼び出した。

彼女は「話したいことがあるなら電話でどうぞ」という理恵子の言い分は全く聞き入れず、弱々しい声を出しながらも、「どうしても一度会いたい」と頑として譲らなかった。

にも関わらず、理恵子を待たせるとは、一体どんな神経をしているのだろうか。

―これだから、常識知らずの若い女は...!

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第6話:「28歳の君と結婚したかった」B型毒舌男が放つ、誰も言わない世間の本音

「はぁ...」

“一度の溜息で3ヶ月老ける”というのは、あながち嘘ではないかも知れないと理恵子は思う。

愛梨という妊婦と対決してから数日、一気に3年分くらい歳をとった気がするのだ。理恵子は柄にもなくすっかり気力を失い、毎日ただ仕事だけをこなす日々を過ごしていた。

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第7話:「オトナの色気が堪らない...」年下男の口説きに酔った女を襲う、真夏の夜の罠

「嘘嘘嘘ぉ〜?アキラくんは一応弁護士だしエリートぶってるけど、ケチだし普通の男だよぉ。まぁでも...旦那にするなら、意外と堅実な選択だったのかしら...!」

「そうよそうよ」と、理恵子はすっかり上機嫌になった茜をさらに持ち上げる。

「それなら任せて!ホラ、弁護士って留学があるじゃない。それで婚期を逃す優良物件もたまにいるの。理恵子、大船に乗った気で待ってて!!」

そうして茜は、意気揚々と理恵子の願いを引き受けてくれた。

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第8話:人妻がなぜモテる...?食事会で判明した、女の意外なヒエラルキー格差

「私、アキラくんが年齢で女を判断する男だなんて思ってなかった。そもそもあの人は、男尊女卑思考が強いし、瑛太が生まれてから私を完全に家政婦扱いしてるの。しばらく孤独にさせて、痛い目みればいいんだわ」

茜はそう言って、夏季限定の濃厚ショコラがたっぷり入ったかき氷を一気に貪り始める。日頃の鬱憤が爆発した人妻ほど、扱いに困る女はいない。

理恵子はそんな事実を痛感しながら、大きな溜息をついた。

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第9話:「チヤホヤされても、実は全然モテてない」独身美女の胸に刺さる、毒舌男の正論

人妻・茜が発した食事会後の爆弾発言に、理恵子はただ呆然と立ち尽くしていた。

「どうして、彼らが既婚者だって分かったんですか!?」

だが、後輩の麻美は鬼の形相で茜に食い下がる。

「いや...最初は何となくそうかなぁと思ってたんだけど、途中からは、普通に自分で奥さんの話してる人もいたし...」

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第10話:年下バブル、発生。妖艶で知的なオトナの女に見合う“28歳の美青年”の正体

「新太郎さん、おかえりなさぁい」

麻美の黄色い声に再びゾッとしながらも、理恵子は仕方なく、この奇妙な集いにしばし付き合うことを観念した。

「...初めまして、光一です」

だが、薄暗い『マデュロ』で新太郎が連れてきた男の顔を間近で認識した途端、理恵子のテンションは180度変わった。

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第11話:「結婚できないのは…惨めでしょう?」独身女に屈辱を与えた、亭主関白夫の覚醒

「...茜が家出してしまったのは、そもそも私が原因ですもんね」
「あっ、いや、それは...」

ほんの少しだけ口調に皮肉を滲ませると、アキラは焦りを露わに口籠る。

「わかりました。私も茜を説得してみます。その代わり...」

そうして調子に乗った理恵子は、またしてもこの夫婦に余計なお節介を焼き、とんでもないトラブルを起こす羽目になるのだった。

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第12話:「結婚できる女」と「できない女」の差。独身女には理解できぬ“女の器”とは

―私ったら、なんてことを...。

できることなら忘れてしまいたいが、理恵子はたった今、家出中の彼女の夫・アキラと大喧嘩を終えたばかりだ。そしていくら喧嘩両成敗とはいえ、茜を食事会に連れて行ったことだけは言うべきでなかった。

実際、アキラとの口論はあれほどヒートアップしたにも関わらず、理恵子が“食事会”という言葉を口にした途端、神経質な彼はほとんど放心状態に陥ってしまったのだ。

2歳の息子までいる夫婦が、万一自分のせいで“離婚”という展開になったら...などと思うと、理恵子は気が気でなかった。

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第13話:初デートで“結婚願望”というタブーを口にした女を待ち受ける、ミラクルな展開

―私...、いつまでこうやってフラフラしてるんだろう...。

とはいえ、「彼氏が欲しい」だとか「結婚したい」なんて強烈な願望が生まれてくる訳でもない。

ただ最近の理恵子は、“35歳・独身”というステータスへの世間の風当たりの強さに嫌というほど晒され、いよいよ精神が消耗しつつあった。

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第14話:年下男の“焦らしプレイ”に翻弄される独身女。紳士な彼が見せた、大胆な一面とは

「お前らって、超相性悪そうじゃん」

遠慮なく言い放たれた新太郎の言葉に、理恵子は目を丸くする。

「は...?私と光一くんの、一体どこが相性が悪いのよ?」

「お前、まさか自覚ねーの?光一はイイ男だけど、ちょっと女々しいとこあるだろ。だから、理恵子みたいな強い女より、もっとニャンニャンした女とベッタリ付き合う方が合うと思うんだよなぁ。ホラ、麻美ちゃんみたいな」

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第15話:「子ども産む気、ありますか?」35歳独身女の心をエグった、愛する男の現実的な一言

「え...どしたの?光一くん、マジギレ...?」

麻美は気まずい空気を和ませようと、あえて冗談めいた言葉を口にしたようだ。だがその一言は、光一の怒りをさらに刺激してしまった。

「...女性が平日のこんな真夜中まで飲んで酔ってるなんて、正直驚きました。二人ともイイ大人なのに、健康のこととか、もう少し考えた方がいいんじゃないですか?」

年下男の思わぬ説教に、二人の女は叱られた子どものように小さくなるしか術がなかった。

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第16話:“結婚”目前なのに...。35歳の独身女が、ハイスペ彼氏のプロポーズを喜べない理由とは

光一は綺麗な顔を歪めて懇願するような眼差しを向けるが、理恵子はどうしても目を逸らしてしまう。長年「見て見ぬフリ」をしてきた、“出産”という不可抗力のタイムリミット。

その致命的な弱点が、陽の目に晒されるようで怖かったのだ。

「俺...理恵子さんとは、真剣に将来を考えたいんです。つまり、結婚とか子どもとか...」
「え...」

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第17話:紳士な態度で女を騙す、40代のヤバい男。35歳の独身女を魅了した、その色気と巧みな話術とは

優しげに目を細めた悠介に対し、理恵子はつい潤んだ声で正確な年月を主張してしまった。すると彼は、少し困ったような顔で笑う。

「そう...か。僕くらいおじさんになると、時間が過ぎるのが早くてね。しかし、5年も経ったなんて思えないくらい君は本当に綺麗だね。ぜひまた食事でも行こう」
「またって......いつですか?」

上品に立ち去ろうとする悠介を、咄嗟に引き留めていた。

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第18話:まさか私が“セカンド”に...?美人で経済力もある女が、絶対に本命になれない理由

「ここにあるものも、好きに使ってもらって構わないから」
「え...」

しかし、理恵子は一瞬目を見張る。

石鹸、ハンドソープ、ローション、乳液、ボディクリーム......そして、クレンジングオイル......?そこには、理恵子自身も愛用するブランド物の基礎化粧品が、ホテルのアメニティさながらに並んでいたのだ。

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第19話:番外編:天然?それとも戦略...?バツイチ男が人妻に心動かされた瞬間

新太郎は昨晩理恵子に思い切り平手打ちを食らった頰をさすりながら、恵比寿にあるスポーツジムのプールに身体を沈めた。理恵子に「太った」だの「老けた」だの会うたびにダメ出しを食らうため、少し前から泳ぎに通っているのだ。

―あの馬鹿力女...。

高級鮨屋のカウンター席で女に顔を殴られるなんて、当然だが初体験だ。もちろん、新太郎も自身の発言には少しばかり反省していた。

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第20話:「イイ女こそ、結婚なんかにすがらない」災難だらけの“35歳のヤバい女”が悟った新境地とは

独身だと信じて疑わなかった悠介に、離れて暮らす妻がいた。離婚して独り身になったという悠介は、婚約したばかりだった。

最近は多くの災難に見舞われてばかりだったが、同じ男に二度も騙されるなんて、うまく現実を受け入れられない。

-話があるんです。なるべく早く会えませんか?

しかし、さらに残酷なことに、理恵子の送ったLINEが既読になったのは翌日のことだった。

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