東海エリアだけでなく、国内外から多くの人が訪れる

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名古屋港エリアにある金城ふ頭は、イベントホールである「ポートメッセ名古屋」や2017年に開園した「レゴランド・ジャパン」など、おでかけスポットがたくさん!その中の一つが、2011年にオープンした「リニア・鉄道館」だ。

【写真を見る】左から「C62形式蒸気機関車」「955形新幹線試験電車(300X)」「超電導リニア MLX01-1」

鉄道史にフォーカスした京都や埼玉の鉄道博物館とは違い、コンセプトは「高速鉄道技術の進歩」。東海道新幹線を中心に、在来線から超電導リニアまでの39両を一挙に展示している。鉄道が社会に与えた影響を楽しく学べるとあって、家族連れがみんなで満喫できるスポットだ。

■ 世界最高速度を記録した3つのシンボル車両は必見!

入ってすぐ目に飛び込んでくるのが、世界最速を記録した3つの高速鉄道。1つ目は狭軌鉄道の蒸気機関車として、1954年に時速129kmを記録した「C62形式蒸気機関車」。2つ目が、1996年当時の電車方式による世界最高速度、時速443kmを記録した「955形新幹線試験電車(300X)」。そして3つ目が、2003年当時の世界最高時速581kmを記録した「超電導リニア MLX01-1」だ。安全、快適、そして速さを兼ね備えた驚きの技術が詰まっている車両は、見応え満点だ。

■ 間近で見られる実物車両がズラリ

さらに歩みを進めると、これまで日本国内で活躍してきた、歴代の新幹線や在来線が展示される吹き抜けの空間が広がる。現存する唯一の蒸気動車や通勤電車の標準となった木製電車、0系のドクターイエローなど、館内外には39両もの実物車両が所狭しと並ぶ。

蒸気機関からディーゼルへ、ディーゼルから電化、そして、戦後復興の象徴ともいうべき新幹線の開通。経済が発展するにつれ輸送能力は高まり、日本の鉄道文化も進化してきた。引き継がれていくDNAを感じながら、特徴的な車両の数々を思い思いの角度から見て触れて乗って、その勇姿を目に焼き付けよう。

■ 鉄道会社が作るから本気度が違う!日本最大級の「鉄道ジオラマ」は必見

名古屋を中心に、東海道新幹線の沿線などの建物や情景を再現。およそ2万5000体のフィギュアと500棟ほどの建物が作り出す精緻な都市の中を、700系・N700系新幹線や在来線、超電導リニアの模型車両が駆け抜ける。

約20分間で美しく描写するのは、「鉄道の24時間」。企画・設計に2年、製作に1年をかけたという鉄道マンたちの「本気」をとくとご覧あれ。

■ 新幹線&在来線シミュレータで味わう臨場感

新幹線シミュレータのコーナーには、N700系新幹線の実物大の運転台があり、東京ー名古屋間の運転操作を体験できる。およそ10メートル×3メートルの大型曲面スクリーンに映し出されるCG映像が、N700系ならではのスピード感や迫力を演出する。 (※体験は抽選で、1回15分間で500円)

また、その隣には、在来線で活躍する211系と313系の運転シミュレータ8台と、313系の実物大の車掌シミュレータがある。いずれも、運転士や車掌になったかのようなひと時が堪能できる人気コーナーだ。(※運転シミュレータは先着順で、1回10分100円。車掌シミュレータは抽選で、1回15分500円)

私たちの暮らしと共に発展してきた鉄道。日本の鉄道文化はその技術力の高さから、近年は海外にもその活躍の場を広げつつある。国鉄時代から培った技術を一挙に展示する「リニア・鉄道館」は、懐かしさと未来への期待が入り混じる、まさに「夢と想い出のミュージアム」。子どもから大人まで、あらゆる世代を魅了する”ホンモノ”の迫力を体感してみよう。(東海ウォーカー・山田瑠美)