「身分違い」の恋が生まれる理由は?心理学者が説く恋愛の構成要素を解説

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7月11日に始まった『高嶺の花』(日テレ系)をご覧になりましたか?
華道の名門「月島流」本家令嬢もも(石原さとみさん)と、商店街の自転車店店主の直人(峯田和伸さん)の格差恋愛をテーマにしたドラマです。

生まれや育ちが違いすぎると恋愛対象になるのは難しく、いずれ別れると思われがち。それは恋愛を構成する要素に「身分」が含まれているからなのでしょうか?

今回は心理学者たちが唱える「恋愛の構成要素」をご紹介します。

■恋愛心理研究の歴史は長い


以前、1973年に心理学者J.A.リーが発表した、恋愛態度を6つの類型に分ける理論(恋愛色彩理論)について書きました。

実はもっと前から、さまざまな心理学者が「恋愛心理」を研究しています。
例えば地中から土器が発掘されたら、いつの時代のものか、何の用途で造られたものかを知るため、成分を分析して年代を測定しますよね。

それと同じで、恋愛心理を分析するにあたり、学者たちは独自の観点で「恋愛の構成要素」を説いたのです。
今回は、異なる時代の学者たちによって発表された「恋愛の構成要素」を解説します。

構成要素を知ると、人は異性のどんな点に胸をときめかせ、なぜ好意を抱くのかがわかります。
ぜひ、ご自身の恋愛を優位に進めるための参考にしてくださいね。

■心理学者が提唱する恋愛の構成要素


◎ルービンの説


心理学者のルービン.Zは恋愛の構成要素を次の5つとしました(1970年)。>

1)尊敬
2)外見的魅力
3)愛他性
4)相性
5)愛着

「愛他性」は、自己犠牲を払っても相手を助けたい、あるいは貢献したいといった気持ちのことです。
「愛着」は、相手が自分にとって「欠くべからざる人間だ」として深く心惹かれる心理を表します。

◎クリテリ、マイヤーズ、ルースの説


心理学者クリテリ.J.Wとマイヤーズ.E.J、ルース.V.Eは、20歳前後の交際中のカップルに心理テストを実施。これらの結果から共通する点を恋愛の構成要素として提唱しました(1986年)。

それが以下です。

1)尊敬
2)身体的覚醒
3)親密さの伝達
4)ロマンティックな一体感
5)ロマンティックな依存症

「身体的覚醒」とは、一緒にいるとドキドキする、あるいは性的興奮を覚える心理のことです。
「親密さの伝達」は、心を開いて本音で会話をする、腹を割って相談するといった、充実した会話ができる関係を表します。

「ロマンティックな一体感」は一緒にいるだけでお互いにうっとりした心地になる、「ロマンティックな依存症」は相手がそばにいないときに自分の居場所を見失って不安になる、といった気持ち(心地)です。

「外見的魅力」は自分が好みだと感じる見た目を表していますが、これは先のクリテリらの「身体的覚醒」と通じるものがありますね。
「愛着」から派生して生まれるのが「依存」なので、「ロマンティックな依存症」と関連性があるといえます。

別々の学者が発表した説ではありますが、言葉の色合いが異なるだけで似たような構成要素を提唱していますね。

■恋愛における、男女の違いは?


ルービンはさらに、好意と恋愛をそれぞれ測定して男女で違いがあるかを調べました。
そうして「女性は男性より、好意と恋愛とを明確に区別している」という結果が得られたのです。確かに、好きな人の前だと態度が変わる女性っていますよね。

男性は女性ほど好意と恋愛とを切り分けていないので、特別な好意を持っていたとしても、あまり態度が変わりません。そのため、

「好きならば○○するはずだ」
「愛情があれば△△な態度をする」

と決めつけることができないんですね。
もちろん、より親切にするといったことはあるかもしれませんが、結局「その人個人のさじ加減」の範囲で行動しているに過ぎないのです。

■まとめ


「恋愛の構成要素」、いかがでしたでしょうか。

恋愛要素は同じでも、その表現の仕方は人それぞれ。相手なりの表現をキャッチできるようになると、より心が通じ合い、深く愛情を交し合える関係になれますよ。