抹茶パフェ/二軒茶屋

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八坂神社の南楼門前に位置する「二軒茶屋」(京都市東山区)は、室町時代より門前茶屋として多くの参拝者に親しまれて来た歴史ある店。

【画像を見る】昔ながらの風情とモダンなインテリアが見事に調和/二軒茶屋

「柏屋」の名で茶屋を営んでいた創業当時、店の向かいにはもう一軒の茶屋が存在し、いつのころからか「二軒茶屋」の愛称で呼ばれるようになった(「京都 珠玉のおやつ」より再構成)。

■ 老舗茶屋が始めた王道の抹茶パフェ

料理を中心とした茶屋として営業を続けていた「二軒茶屋」が、和風甘味カフェを始めたのは14年のこと。料亭の器を置く蔵として使われていた建物をリノベートし、スペースを拡大。歴史を感じるレトロな雰囲気の中で、抹茶プリンや生麸入りのおしる粉など、京都らしい和スイーツを楽しむことができると好評を集めている。

なかでも人気なのが、今時の京スイーツの代表格とも言える「抹茶パフェ」(1250円・番茶付き)。茶屋としての歴史は長くても、カフェとしては後発組となるこの店が目指したパフェのスタイルは「オーソドックスで飽きが来ない味」。末永く愛してもらうため、奇をてらわず、本物の素材にこだわった王道の抹茶パフェだ。

ボウル部分にボリュームがある大口タイプの器に、抹茶ソフトや抹茶アイス、抹茶ケーキなどの抹茶スイーツが幾重にも盛り付けられ、デコレートのシメには「柏」の家紋が描かれた抹茶煎餅が飾られている。

あんこは北海道・十勝産の上質な小豆を厳選。粒も大きく色つやも抜群で、跡を引かない、まろやかな甘さに炊き上げられている。

■ 抹茶を引き立てる黒ミツが素晴らしい

そして最大のポイントはパフェに添えられた自家製の黒ミツ。サトウキビの産地・沖縄のなかでも、特に品質が高いと言われる波照間島の黒糖を使用し、ザラメなどで味を調えられた黒糖は、口の中ですっと溶け込む程よい甘さと、黒糖らしい柔らかい苦味とのバランスが絶妙。この芳醇な黒ミツの存在が、ほろ苦い抹茶スイーツの味を、さらに上質なものへと引き上げてくれる。

店内は重厚な梁(はり)や土壁など昔ながらの風情とモダンなインテリアが見事に調和。八坂神社の鳥居内にあり、参拝に訪れる人でにぎわいを見せている。【関西Walker「京都 珠玉のおやつ」編集部】(関西ウォーカー)