女の賞味期限は24歳?

どこのどいつが言い出したのか、クリスマスケーキ理論、なんていうものがあります。クリスマスケーキの値段のように「女の賞味期限は24歳がピーク。25歳を過ぎたら3割引!」とする内容です。

一般女性でさえそんな言われようなのだから、アイドルとして戦う女の子のことを考えただけでも頭が痛くなります。妹キャラでデビューしたはずの子が、自分より若い新メンバーの加入により迷走し、突然年齢自虐を繰り出す姿を見て、悲しくなったりすることも……。アイドルファンとしても、彼女たちよりずいぶん年上の女としても、複雑な心境なのです。

「好き」を恥じない、でんぱ組.inc

そんなアイドル業界で、一際異彩を放って輝いているのが、2008年に結成されたアイドル、でんぱ組.incの皆様です。

アイドルの自己紹介といえば「中学3年生の○○です」のように、キャッチフレーズと年齢をアピールするのが定番ですが、なんとでんぱ組.incは年齢非公表にしています。

6人はそれぞれアニメ・マンガ・ゲームなどに精通している、いわゆるオタク。メンバー達も、MCやインタビューでオタク趣味を持っていることを強みにしています。オタクなのは、「自分が好きなこと」を貫いた結果だから、それを恥じたりする必要はない!と。その生きざまが、とにかくかっこいいんです。

彼女たちは一貫して「好きなことには貪欲ガチ勢であれ」というポジティブな姿勢。その代わり、人類全員平等に訪れる加齢には誰も逆らえないから、そこは非公表でスルー。年齢自虐で笑いをとることもありません。

「いじめられて 部屋に引きこもっていた」と、アイドルになる前の状況を歌った自伝的な代表曲「W.W.D」を引き合いに、”非リア”売りのグループだと誤解している人が多いですが、「マイナスからのスタート、ナメめんな!」と、ラストは少年ジャンプ漫画のごとく、ポジティブにまとまっているんです。夏のリア充への憧れをポップに歌う「おつかれサマー!」も、リア充を攻撃するような描写はありません。

「後悔は絶対しちゃだめ」

金髪ショートカットの最上もがさんと、黒髪ボブ”ねむきゅん”こと夢眠ねむさんを認知している人が多いと思いますが、6人揃った時が一番眩しいんです。力強い歌声で引っ張るリーダー・相沢梨紗さん、グループのセンターを守る古川未鈴さん、挙動が小動物のようでとにかく可愛らしい藤咲彩音さん……そのバランスが奇跡的です。

個人的に推したいのは”えいたそ”こと成瀬瑛美さんです。とにかく元気でテンションも声も一際高く、CDでもライブでも、その存在は唯一無二でしょう。無茶苦茶なポジティブさと熱量は、まさにアイドル界の松岡修造(褒めています)。

最後は、えいたその名言で締めたいと思います。

「生き急ぎが丁度いい、だっていつ砂になるかわかんない 後悔は絶対しちゃだめだよ!」*2014年11月23日 公式twitterより

そう、いつ死ぬかわからないんだから、生きているうちは全速力で駆け抜けていくしかない。

われわれも、年齢なんかに囚われている場合ではないのです。早送りしたカセットテープのようなアニメ声も、そんな彼女たちの生き方を表しているのかもしれません。

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(小沢あや)