やはり、“食べ物”と“飲み物”には相性があると思うのです。お饅頭には日本茶を合わせたいし、ポテトチップスなどのジャンクフードはコーラでゴクッと流し込みたい。アンパンなんかは、牛乳がいいと思う。

えっ、八つ橋ですか? それは、やっぱりお茶でしょうね。……コーラと合わせたらどうかって? う〜ん、あんまり合うとは思えないなぁ。

木村飲料がアドバイス 「これからはサイダーじゃなくコーラの時代!」


と思いきや、この両者が手を組んでいた模様。「御殿八ッ橋本舗」(京都府京都市)が6月1日より発売しているのは、その名も『生八ッ橋コーラ』です。



なんでしょう、これは? もう、意図がわからないのですが。というわけで、商品化までの流れを「御殿八ッ橋本舗」に伺ってみました。
「京都には八ッ橋のメーカーが大小含めて約30社あるんですが、どこも飲料には手を付けていないんです」(企画営業部・文字英知さん)
いや、だとしても……。
「他社様に負けないよう、当社では“わさび入りの生八ッ橋”など他では絶対に手がけない商品を製品化しています。そんな中、木村飲料様から『八ッ橋の飲料を作りませんか?』とお声掛けいただいたんです」(文字さん)
木村飲料のことは、コネタでも何度かご紹介してきました。『たくあんコーラ』だったり『ポテトチップス味コーラ』だったり『うなぎコーラ』だったり。はっきり言って、変な会社です。
「木村飲料様からは『ご当地サイダーが流行っているけど、これからはコーラの流れになっていく』というアドバイスをいただきました。また、木村飲料の社長様が発表した本も読ませていただき、非常に感銘をうけたのでコラボさせていただくことになりました」(文字さん)

生八ッ橋には欠かせない「ニッキ」が効いている


さて、いよいよ本題です。『生八ッ橋コーラ』って、どんな味がすると思います?


どうやら、モチモチっとした生八ッ橋の生地の味らしいです。何しろ、八ッ橋の製造に使用される「ニッキ」が効いているらしい。このコーラにも、存分に含まれています。
「生八ッ橋業界には“粉のニッキ”(茶色)と“液体のニッキ”(白色)を使っている会社の2つがあり、当社は“液体のニッキ”の方です。駄菓子屋で売っている『ニッキ水』をイメージするとわかりやすいと思います」(文字さん)
端的に表現すると、“ニッキ水+コーラ”。スパイシーでスッキリしていて、どこかドクター・ペッパーに近くもあるらしい。

ってなわけで、実体験するために『生八ッ橋コーラ』を取り寄せました!

リピーターが欲しいので、あくまでおいしいコーラに仕上げた


はい、届きました!


見ての通り、ボトルタイプです。和風のラベルが目を引きますが、これは紛れもなくコーラ。京都の「八ッ橋」と、アメリカで生まれた「コーラ」。もはや、究極の和洋折衷でしょう。では、キャップを開けてコップに注ぎます。トクトクトクトク……。


コーラらしからぬ色味ですが、れっきとしたコーラです。
「コーラは黄金色に色付けしているのですが、雅やかでしっとりした輝きから京都をイメージしていただきたいと思いました。キャップも赤など濃い色を使いがちですが、金色で高級感を出しています」(文字さん)


実は、「キャップを開けた途端、ニッキの風味がふんわり香る」と事前に聞いていたのですが、そこまで違和感はありません。

じゃあ、いただきましょうか。ゴックン……なるほど、なるほど! まず始めに感じたのは、シナモンの風味でした。これは、言われてみれば生八ッ橋だ。また、コーラとしても、甘み強めな気がします。いわゆる、あんこをイメージしているのでしょう。
「やはりリピーターを付けたいので『スパイシーではあるけど、過激なだけではない』という線を狙っています。普通に飲んで『おいしい!』と思われる味です」(文字さん)

そんな『生八ッ橋コーラ』は、同社ウェブサイトにて購入することができます。価格は、1本(250ml)で250円(税込)
「6月から発売している商品ですが、この時期は修学旅行生が京都にたくさんいらっしゃいます。その一方、ニッキ水を懐かしがる大人の方にもご好評いただけると考えています」(文字さん)
物珍しさに興味を持つ若者、ほっこりしたい大人などなど、幅広いターゲット層を想定しているようですな。

「京都の歴史を堪能しながら『そうだ、生八ッ橋コーラを飲もう!』と思える、散策のお供に欠かすことのできないコーラの誕生です!」(文字さん)
実際の製造で使用されているニッキが含まれているので、断じて“なんちゃって”ではありません。本格的に八ッ橋なコーラの誕生です。
(寺西ジャジューカ)