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手が創るものは、均一された工業製品にはなれない。だから、いいのである。しかし、昨今、多くの職人の手が経済システムの中で失われつつある。救え!の一言だけでは、確かに実態は変わらない。
ロレアル社の株主で、近年メディアに騒がれていたリリアン・ベタンクールの財団は、毎年、職人とアーティスト、デザイナーの技術と技能を奨励している。「手が創出するインテリジェンス」賞と職人とデザイナーのコラボレーションを讃える「ダイアログ(対話)」賞がある。
2011年は、陶器職人やアーティスト6名とデザイナーのギヨーム・バルデによるコラボレーション「日々の用途」が奨励されたばかりである。2009年より、毎日1個のオブジェをデザインして、ようやく説得した職人たちと模索しながらの実験的なプロジェクトであった。当初、デザイン業を理解できずにいた職人たちも、新たな技術や手法に挑戦せざるを得ないプロジェクトを持ちかけられ、モチベーションもわいたようだ。
パリからドローム県に移住したバルデは、都会人扱いされながらも、その土地に根付く伝統や地場産業の将来性について考え、悩みながらも自ら掲げたプロジェクトを達成させた。
「今後は、無防備なプロジェクトは避けたい」と言いながらも、手はとまることを知らないように思われる。今秋は、セーブル美術館にて全オブジェの一挙に公開する展示会も予定されている。



(取材・文 Kaoru URATA)

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