戸塚純貴Instagramより
 2026年8月8日、戸塚純貴が結婚を報告した。さっそくネットニュースになっていたが、かつてジュノンボーイとして「理想の恋人賞」を受賞した彼が、あたかも「理想の結婚相手」に変化したかのようだ。

 その間、俳優として自分が目指すべき方向性を模索しながら、今やドラマ作品には欠かせない存在になった。毎週月曜よる9時放送中のドラマ『ブラックトリック〜裁きを操る弁護人〜』(フジテレビ系)でも、彼らしいコミカルな名人芸が垣間見える。

 本作の戸塚純貴について、“イケメン研究家”加賀谷健が解説する。
◆後景を前景化する戸塚純貴

 嘘で嘘を暴く弁護士兼建築士・浦真鷲直人(GACKT)が、アンチヒーロー的に悪を裁くドラマ『ブラックトリック〜裁きを操る弁護人〜』(以下、『ブラックトリック』)第2話に、面白い場面があった。

 浦真鷲は弁護士資格を剥奪されたのだが、そんな彼のお目付け役としてやってくる、大手事務所の熱血弁護士・麻生縁(志田未来)とのやり取りでのこと。

 とにかく正義を主張する麻生は基本的に浦真鷲と意見が合わない。建築設計事務所内で2人がああだこうだと議論するその後ろ、奥の席で一級建築士の鯖山周平(戸塚純貴)が何やらダンスの振りを練習している。おそらく脚本のト書きには「鯖山、自分の席でダンスの練習をしている」くらいに書かれているのだろう。

 場面の流れとしてはその後、鯖山が(画面奥から)手前にきて、ダンスを披露する段取りではあるのだが、それにしても奥でちらちらコミカルに動く鯖山が目立ち過ぎではないか。画面奥に位置する鯖山をぼかしてもよかったはずなのに、本作は鯖山を背景に位置させながらも鯖山役の戸塚が後景を前景化している。

◆ピントは合っていないのに……

 画面の奥までピントが合っているかどうかも、さほど問題にはならない。2024年放送のドラマ『青島くんはいじわる』(テレビ朝日系)第1話序盤の場面では、ピントが合っていないにもかかわらず、そこに自分がいることを主張せずにはいられない(かのような)戸塚がいた。

 総務部で働く主人公・葛木雪乃(中村アン)が、後ろの席に座る後輩社員・木村里香(秋元真夏)を注意する場面だ。さらに後ろの席に戸塚演じる谷崎真司が座っているのだが、初登場する彼はパソコンモニターに隠れた状態で顔までは見えない。ピントも合っていない。なのに戸塚だとすぐにわかる。

 カットが替わると、今度はひょっこり顔を出している。でもまだピントは合っていない。そしてやっと木村が「谷崎さん」と言って谷崎の席へ駆け寄ると、待ってましたといった感じで「う〜ん」とオーバーに相槌を打つ。戸塚は自分にピントが合っていない画面上でさえ、持ち前のコミカルな雰囲気を駆使して賑やかそうとする。

◆「理想の恋人」から「理想の結婚相手」へ

 戸塚はとにかく出演作が多く、毎年ほぼ全クールのドラマに出演している。『花ざかりの君たちへ〜イケメン☆パラダイス〜2011』(フジテレビ系)でドラマデビューを果たし、福田雄一監督作品などでコミカルな才能を磨いた。

『ブラックトリック』第1話でも、鯖山がホテルのレストランの従業員になりすます場面など、極端にずり落ちたメガネをかける滑稽な姿と表情に戸塚ならではの名人芸が宿っていた。

 今や、三枚目俳優としてのポジションを不動のものにしている。それでいて初期の戸塚は、2010年のジュノン・スーパーボーイ・コンテストで「理想の恋人賞」を受賞している。三枚目に転じた方向感覚は確かなものだった。

 プライベートでは、2026年8月8日に結婚を発表した。ネットニュースでは、令和8年で8が3つ並ぶ「はちみつ婚」と表現されていた。「理想の恋人」は今後、コミカルな味わいをさらに醸しながら「理想の結婚相手」像となっていくのだろうか?

<文/加賀谷健>

【加賀谷健】
イケメン研究家 / (株)KKミュージック取締役
“イケメン研究家”として大学時代からイケメン俳優に関するコラムを多くの媒体で執筆。アーティストマネジメント、ダイナマイトボートレース等のCM作品やコンサートでのクラシック音楽監修、大手ディベロッパーの映像キャスティング・演出、アジア映画宣伝プロデュースを手掛ける。他に、LDHアーティストのオフィシャルレポート担当や特典映像の聞き手など。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。
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