「ナイトタイムエコノミー」って?|お金の教科書Vol.98

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毎日の暮らしや将来に必要なお金のこと、きちんと把握してますか? 「わからない」ゆえの不安は、知ることで解消できるはず! “お金初心者”の3人と一緒に、お金の勉強を始めましょう。今回は「ナイトタイムエコノミー」の話。

今回の先生

「暑い夏こそ“ナイトタイム”に活動しましょう」

一般社団法人ナイトタイムエコノミー推進協議会 理事・永谷亜矢子

ながや あやこ 株式会社an代表取締役。立教大学経営学部客員教授。地域創生プロデューサーとして、富山県ほか、複数の自治体アドバイザーを担う。著書に『観光“未”立国〜ニッポンの現状〜』がある。

生徒代表

「残暑も厳しそうで憂鬱です…。」

地道奈子

じみち なこ 28歳・派遣社員。既婚・子なしのDINKS。ポイ活に精を出しつつ、サブスクやスマホなど新しい固定費の見直しはこまめにするタイプ。夏旅行の計画に出遅れ、焦り中。

夜間と早朝を活用すれば、猛暑対策としても有効

奈子

今年の夏も暑すぎて、休日でも昼間は外に出る気にはなれなくて…。夜になってようやく動き出す、という感じです。

永谷

まさに、それはナイトタイムエコノミーですね。

奈子

!? 初めて聞く言葉です。

永谷

ナイトタイムエコノミーというのは、日没から日の出、一般的には18時から翌朝6時までの夜間に行われる経済活動のことをいいます。猛暑対策としても、比較的涼しい夜や早朝の時間を活用するのは非常に有効で、観光面でも大きなメリットがあるんです。

奈子

へぇ〜。

永谷

なかでも旅行客を対象とするナイトタイム観光の経済効果は、ロンドンで約3兆円、ニューヨークで約2.1兆円の市場規模があるといわれ、東京でも潜在的に数兆円規模の経済効果が見込まれています。東京都庁舎のプロジェクションマッピング「TOKYO Night & Light」はご存じですか?

奈子

はい!

永谷

あれもナイトタイムエコノミー活性化を目的とした事業のひとつなんですよ。

奈子

なるほど。

永谷

東京は「世界の都市総合力ランキング(GPCI)2025」(森記念財団都市戦略研究所発表)で、初めてニューヨークを抜いて第2位に浮上し、「ナイトライフ充実度」では1位を獲得しました。

奈子

東京の夜は刺激的! でも地方となるとなかなか難しそう。

永谷

そうなんです。インバウンドゲストもリピーターが65%以上となり、回数が増えるほど、行動範囲は地方へと広がっていますが、日帰りか宿泊するかでは経済効果に大きな差が生じています。

奈子

私たち日本人から見ても、地方の夜や早朝には魅力的なコンテンツがあまりないイメージです。

永谷

地方は人手不足も深刻なため、ホテルは宿泊のみで、食事は地元の店で食べるという“泊食分離”に取り組む地域や宿泊施設も増えており、ナイトタイムエコノミーの活性化は不可欠なんです。

奈子

地方でナイトタイムを活用した事例だと、どんなものがありますか?

永谷

熊本県・南阿蘇の星空鑑賞ツアー、北海道・芽室町の早朝とうもろこし収穫体験など、探してみると意外とあるんですよ。

奈子

地方には大自然というコンテンツがありますもんね!

永谷

はい。まだまだいろんな可能性を秘めていますので、今後もナイトタイムエコノミーに注目してみてください。

奈子

はいっ!

国内旅行1人1回当たりの平均支出

※1人1回当たり旅行支出(旅行単価)には、参加費、交通費、宿泊費、飲食費、買い物代、娯楽等サービス費などが含まれる。

上記のデータは、2025年の日本人国内旅行1人1回当たりの旅行支出。「訪日外国人の1人当たりの旅行支出は約22万9000円で、こちらも日帰りと宿泊では消費額に大きな差が出るといわれています」

注目のナイトタイムエコノミー施策

★次回は、2510号(9月2日発売)掲載予定です!

イラスト・小迎裕美子 取材、文・一寸木芳枝

anan 2508号(2026年8月19日発売)より