横たわる弟のそばで泣き崩れる母。警察から事故の連絡を受け、病院に駆けつけると…


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「息子さんが事故に遭われまして」

高校3年生の夏の夜、警察から一本の電話が…それは、1つ下の弟がバイク事故に遭ったことを知らせるものでした。

職人気質でマイペースな父、世渡り上手で肝のすわった母、思春期をこじらせていた姉、そしてヤンチャだけれど誰からも好かれていた弟。ケンカは絶えないながらも、4人家族のありふれた日常は、突然の事故によって一変します。

弟を亡くした悲しみ、変わっていく周囲の人々、真偽不明の噂、少しずつ狂い出す家族の歯車。遺された家族は、後悔や痛みを抱えながらも、それぞれの形で前を向こうとしていきます。

大切な人を突然失った家族の崩壊と再生を描いたコミックエッセイ『16歳で帰らなくなった弟』を15回連載でお送りします。今回は第3回です。

※本記事はきむらかずよ著の書籍『16歳で帰らなくなった弟』から一部抜粋・編集しました。

■弟の突然の死

あの...警察ですが...


息子さんが事故に遭われまして...


すぐに父と病院に向かった


もう死んでるやん!


絶句...


11時56分に亡くなられました


あの時にはもう死んでるってわかってた?


警察ですが…


うそつき


弟が息を引き取ってからすでに2時間が経っていた


実際にはチューブどころか服ひとつ身につけておらず


医師の姿もなく...


現実を受け入れられるほど大人じゃなくて涙は出てこなかった


実は...


あの時声をかけていれば...


家族にとって長い長い夜の始まりだった


著=きむらかずよ/『16歳で帰らなくなった弟』