ありがとう、さようなら万博!大阪・関西万博体験が「一生モノ」なワケ

【大阪・関西万博】本物が見られるとバズりまくったイタリア館
まもなく閉幕を迎える大阪・関西万博。
来場者数は2600万人を突破。多くの方が未来の可能性に触れ、忘れられない思い出を作ったのではないでしょうか。
最新技術もアートも自然も、「みんなで未来をつくろう」というメッセージがあふれていました。
万博がくれたのは、“未来を信じたくなる気持ち”でした。
■未来はみんなで創るもの「アメリカパビリオン」
ひときわ「万博らしい」夢を見せてくれたのはUSAパビリオン=アメリカ館ではないでしょうか。
最先端技術だけでなく、アメリカ、日本、そして世界中の人たちが協力して未来をつくる楽しさを体感できる展示になっていました。

入口に足を踏み入れると、まるで宇宙船の中にいるような空間が広がり、心は一気に未来へ。
SNSでもバズっていたマスコットキャラクター「スパーク」がナビゲーターとして登場。
AIやドローンを活用した農業、神経の痛みを和らげる小型ロボットなど、最先端技術がスパークのアニメーションやプレゼンターの解説で分かりやすく紹介されていました。
ここには、技術やモノのすごさだけでなく、「これらの未来は、私たちが一緒に作るものだ」というメッセージが込められていました。ツアー中には、テーマソングが繰り返し流れ、「いろんなことを一緒に体験したら楽しいよね」といった国境をこえた協力の大切さを教えてくれます。


△映像には、3回の宇宙飛行に成功した野口聡一さんの姿も!スペース X 社の民間宇宙船で宇宙へ行った初の日本人としても知られています。
圧巻だったのは、宇宙旅行の疑似体験!
「宇宙旅行」が疑似体験できる演出には入館した誰もが驚いたのではないでしょうか。床が揺れ、光と音が連動する迫力の演出で、まるで自分が宇宙へ飛び立った気分! 光の洪水に包まれる体験は、もう圧倒的…!
約38万キロ・メートル先の月へ向かう宇宙旅行体験では、スパークと一緒に巨大な宇宙ステーションに到着。


月面に到着し、基地で日本製のルナクルーザーが活躍している様子も。
アメリカは日本をはじめ世界中の国や企業と協力して、再び月を目指しています。
その名も「アルテミス計画」。日本の技術力も積極的に活用されており、トヨタの月面探査車「ルナクルーザー」はその象徴。宇宙開発にまで広がった日本のものづくりって、誇らしいですよね。国境を越えた協力の大切さが、ひしひしと伝わってきました。
大阪・関西万博のアメリカ館は、未来の希望を作り出すには「みんなと一緒に」が大切、というメッセージであふれていました。
同じ地球号の乗組員であるということを改めて感じさせてくれたパビリオンだったのではないでしょうか。


72年に月面着陸に成功したアポロ17号の宇宙飛行士が月面から持ち帰った「月の石」も披露されています。

「万博が終了するのはとても寂しいです。たくさんの方とお会いできて楽しかった」と話してくれたのはメディアマネージャーのエリザベスさん。
■イタリア館で感じた、芸術が未来をつくる力

万博で話題となり、入館まで最長8時間待ちという人気を集めたのが「イタリア館」。
館内のテーマは「L’Arte Rigenera la Vita(芸術が生命を再生する)」。
レプリカではなく、「本物」を見ることができると瞬く間にSNSでも話題となり、多くの人が詰めかけました。

広場にそびえる2世紀の彫刻「ファルネーゼのアトラス」にはその筋肉や苦悶の表情の表現力に驚き、カラヴァッジョの「キリストの埋葬」は、明暗のコントラストに吸い込まれるよう。

天正遣欧少年使節の一員としてイタリアを訪れた伊藤マンショの肖像画、イタリアから日本への初飛行を成し遂げた飛行機の骨組みからは、日本とイタリアの深いつながりが伝わってきます。


天才レオナルド・ダ・ヴィンチが残した1000枚以上のスケッチや文書「アトランティックコード」のうちの4枚(実物…!)がイタリア館で見ることができたのも衝撃でした。


会期中、新しい展示が複数追加されたことも話題に。
万博の閉幕まで残り9日といったタイミングでも、万博のために特別に制作されたという工芸品「聖フランチェスコ像」を披露するなど、「イタリアの文化を届けたい」という熱い思いを感じることができました。
屋上のイタリア式庭園では、万博の喧騒を離れ、美味しい料理やワインを楽しみながら、芸術と自然、日常が一緒になった空間でゆったりと過ごす人の姿も。
忙しい毎日、美しいものや芸術に触れる機会はなかなか少ないですが、アートがもたらす豊かさやパワーを実感できる、貴重な機会となりました。
■「フランス館」で感じた、愛と手仕事が紡ぐ未来

圧倒的「美」に触れられたのがフランス館。
テーマは「愛の讃歌」。館内では、互いの小指が見えない魔法の糸で結ばれているという「赤い糸の伝説」をたどりながら、未来のビジョンを体験できました。


館内で何度も登場するロダンの「手」は、人間の最初の道具であり、職人技や知恵、人と人を結ぶ象徴。
ルイ・ヴィトンやディオール、ショーメなど、世界に誇るフランスの文化や技術も、物語と一緒に紹介されていました。

終盤には、モン・サン=ミッシェルの修道院と厳島神社の大鳥居という、二つの世界的遺産が一つの島で出会う展示も。まるで二つの遺産が対話しているみたいで、自然や歴史のつながりを感じます。

フランス館は、愛や感謝、創造の手仕事の力を五感で体感できる場所。毎日の生活にそっと寄り添い、家族や自分自身、自然を大切にする気持ちを思い出させてくれました。
■自然と共生する未来「住友館」
人気のあまり、予約が難しいことで話題になった国内パビオンの一つが「住友館」。
コンセプトは「さぁ、森からはじまる未来へ」。
森とのつながりを体感することで、未来の社会や環境について考え、行動するきっかけを与えてくれる空間です。

館内に一歩入ると、まずひやっとした森の空気が!
暗い森の入り口に立ち、手にランタンを持てば、まるで物語の主人公になった気分。霧や音、光、風、木や虫の音……五感をフルに使ってほの暗い森を歩いているような体験ができます。


森の中には、小さな虫や動物たちが隠れていて、ランタンを置くと光とともに姿を現す仕掛けも。
副館長の安永明史さんも「私でもすべてを探すことは難しいです(笑)」と話すほど、隠れた演出が豊富。時には雨が降る映像や風の演出も! 自然の厳しさについても触れることができます。

クライマックスは、「パフォーミングシアター」。
森の「いのちといのち」をつなぐ風を表現するのは、国内外で活躍するダンサーたち。特に驚いたのは「風」の演出。激しく舞う様子から、自然の荒々しさや壮大さを感じられます。
安永さんによれば、「風の演出は、子どもも大人も自然とつながる感覚を肌で感じられる重要な部分です」とのこと。
映像や光に呼応して舞い、自然を全身で表現するダンサーのパフォーマンスに圧倒された人も多いのではないでしょうか。


パビリオンに使われた木材は、四国・愛媛県・新居浜市の住友の森で育てられたスギやヒノキが約1000本使用されています。
そのうち壁面に使用されているのが1970年の大阪万博の年に植えられたスギ、屋根に使われているのがそれより以前に植えられたヒノキを使用されているというから驚きです。
安永さんは「1本1本のいのちを大切にしたい、という想いから木材の加工方法から検討と議論を重ねて、木々を余すことなく利用できる“合板を用いる”という判断をしました」とのこと。無駄を出さずにしっかりと有効活用するだけでなく、自然や先人たちの想いへの敬意が感じられます。
さらに、万博では約1万本の苗木を来場者が植林体験できる仕組みが!
苗木は四国の育苗センターで約1年間育てられた後に、住友館を作る時に木を伐採した跡地を中心に植えられます。

「今植えた苗木が、子どもたちが成長し、大人になったころにまた建材として使えるかもしれません」と安永さん。森と人の未来をつなぐ、循環の物語を実感。

シアターを抜けたところにある展示コーナーでは、現在取り組みが進められている未来の住友グループの技術や取り組みを前期・後期合わせて700以上確認することができます。


気になる技術や取り組みとキーワードを選び、簡単にミライのタネをつくることができる特設サイトも大人気。「これまでおよそ1万件の『ミライのタネ』が作られました」と安永さん。
安永さんは、子どもたちに向けて
「住友館での体験をきっかけに、実際に森へ行ってみてほしいですね。自分の目で見て、触れて、感じてほしい。人間だけじゃない、いろんな生き物や自然とのつながりを実感してほしいです」と話しました。
木のぬくもりや森の息吹を感じさせる壮大なパビリオンでの体験は、自然と共生しながら未来へ進むことの重要性を、改めて考えるきっかけになったのではないでしょうか。



ついに閉幕となる大阪・関西万博。
忙しい日常の中でも、ほんの少し立ち止まり、目の前にある小さな「未来」を想像すること。その小さな想像の積み重ねこそが、やがて大きな希望を育てていく――そんなことを教えてくれた、まさに「一生モノ」の万博体験。皆さんはどう感じましたか?
【レタスクラブWEB編集部YYY】

