リリー・フランキーと斎藤工が絶賛する“2人の女優”。「繊細な一方で周りを明るくする人」
 リリー・フランキー斎藤工伊藤沙莉、細野晴臣といった超豪華キャストが共演、伊藤沙莉がギャラクシー賞を受賞したことでも話題を集めた連続ドラマ『ペンション・恋は桃色』が、このほどシーズン2としてパワーアップして帰ってきます。2024年1月19日(金)夜8時、FODで全5話一挙独占配信されています。

 いつもテキトーな父シロウ(リリー・フランキー)とその娘ハル(伊藤沙莉)、そしてバイト青年のヨシオ(斎藤工)が営む、ちょっと古い寂れたペンション“恋は桃色”がドラマの舞台。

 そこに訪れる“珍客”たちによる一夏の大騒動は、笑いあり涙ありのハートフルコメディとなっています。前作のメンバーに加え、山口智子、関智一、剛力彩芽の豪華ゲストも見逃せません。

 その配信を前にリリー・フランキーさん、斎藤工さんに話を聞きました。

◆そっと「あれ、好きでした」と伝えてくる業界人も

――4年前の前作ですが、当時の評判は、おふたりはどう受け止めていたのでしょうか?

リリー・フランキー(以下、リリー):前回、評判良かったんですか(笑)。

斎藤工(以下、斎藤):実は隠れファンがいて、でも隠れているので声を大にしては言わないんですよね。「あれ、実はすごい好きでした」みたいに、そっと言ってくる業界人は確かにいましたね。なので声を大にして言う人はいなかったかな。

リリー:なんだろう、あの、プロが「良い」と言いにくい空気感というかね。

斎藤:そうですね。これを認めちゃうと……みたいな。ただ、前回は2020年で、パンデミック直前だったり、時期が特殊ではあったんですよね。なので、その後に起こる出来事の中で、あまり目立たなかったとは思います。

リリー:あれはクリスマスに撮影をしていて、そして1月になったら、いわゆるコロナの話が始まって来たんですよね。

◆シロウは「スケベに見えてはいけない」

――2020年の2〜3月はステイホームの初期の頃で、サブスクを観るような人が増えたことも影響としてあったかも知れないですね。

リリー:そうですね。この4年間で一番変わったことは、やっぱり生活の中でみんなが課金して映像作品を観るっていうことが、日常の営みになったってことはとても大きいと思います。で、それにより英語圏の人が字幕で観るようにもなった。だから、いろいろものが世界流通するようにもなりましたよね。

斎藤:この作品もぜひインド方面で翻訳版を。

リリー:ちょっと踊りが弱いかな。

斎藤:ただ、シーズン1は字幕が要らないシーンもけっこうありますので(笑)。

――ペンションのオーナー、シロウはいつもテキトーではありますが、リリーさんは、どのようなキャラクターだと受け止めて演じたのでしょうか?

リリー:シロウはたぶん、愛情深い人なんでしょうね、すぐ人を好きになるし、娘のハルに対する感情もそうですし、だから損得感情がないというか。

シロウさんとしては女好きであっても、スケベに見えてはいけないというか、ある程度愛すべき人に見えないといけないんです。あの人がスケベに見えると、あの役が成立しないっていうのはありましたね。

◆“この作品の現場にしかない癒し”を欲するように

――話が長くて気難しいバイトの青年、ヨシオ役については、斎藤さんはどう受け止めて演じたのでしょうか?

斎藤:ヨシオ個人がどうというより、シーズン1って、よそものを受け入れてくれる場所がシロウさんであり、ハルだった。そして、その象徴がリリーさんと伊藤沙莉さんであり、その説得力が素晴らしいと思うんです。

リリー:確かにシーズン1の冒頭とか考えると、ヨシオはかなりとげとげしかった。

斎藤:そうなんです。