この花、なんの野菜かわかる?今日も食べたかも。北海道では9月が旬の「食卓の定番食材」
突然ですが、この花の正体はなんでしょう? ヒントは北海道で秋に旬を迎える野菜。花の形と同じく、野菜も丸い形をしています。
北海道だけでなく、日本各地でも毎日のように家庭料理に使う定番の野菜なので、きっと「今日も食べた」という人がいるはず。さて、どの野菜の花だと思いますか?
丸くて白い花の正体は?
丸い花をよく見ると、ひとつの大きな花ではなく、小さくて白い花びらと黄色いおしべがいくつも並んでいます。花と同じく丸い形をしている野菜があるのは土の中。
そのまま食べると辛いですが、火を通すと甘くなる……というのが大ヒントです! さて、どの野菜なのかわかりましたか?
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正解は「玉ねぎ」
玉ねぎの花は丸い形をしていることから「ねぎ坊主」とも呼ばれています。細長い茎の上に花が咲き、土の下に見覚えのある丸い玉ねぎを発見。食べる部分は根っこのようにも見えますが、実は葉の一部です。
北海道は玉ねぎの名産地
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北海道は玉ねぎの作付面積や収穫量、出荷量が全国第1位。令和3年の農林水産省のデータでは、生産量は全国の6割以上を占めるなど、玉ねぎの名産地であることがわかります。玉ねぎは暑さに弱く、北海道の気候が栽培に向いているため、多く生産されているようです。
玉ねぎは栽培される地域によって、種をまいて収穫する時期が異なります。北海道では春に種をまき、秋に収穫されるものが主流。収穫時期は8~10月ごろですが、5~7月ごろを除きほとんどの時期で出荷されています。ほかの地域では別の時期にも収穫されるため、スーパーで通年見かける野菜なのもうなずけますね。
また北海道の市町村ごとに見ていくと、道東のオホーツク地方にある北見市や訓子府町、美幌町、道北の上川地方にある富良野市や中富良野町、空知地方にある岩見沢市などで玉ねぎの生産がさかんです。
個性豊かな北海道産玉ねぎの品種
北海道産のたまねぎは、丸みがあり、よく締まっていて、貯蔵性が高いのが特徴とされています。また同じ玉ねぎでも、品種によって見た目や味に違いがあるのです。
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北海道産の玉ねぎで約半分のシェアを占めるのが『北もみじ2000』。日持ちがよいことも選ばれている理由のひとつです。10~5月に出荷されています。形は大きめの地球型でかため。皮は赤銅色で密着しています。加熱すると甘みが強くなるので、火を通す調理法がおすすめです。
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古くからある品種で、おいしくてレアな玉ねぎが『札幌黄』。日本で玉ねぎの栽培が始められたのは明治初期、現在の札幌市となる場所だったといわれています。
もとはアメリカから輸入した品種で、改良を重ねた『札幌黄』が北海道に広まりました。現在も残っている品種ですが、病気に弱く、形がふぞろいで、日持ちも劣る……などの理由から流通させるのが難しいため、生産量が少ないです。
しかし、肉厚でやわらかく、火を通すと味が濃くて甘さも強いため、味にこだわる人やレストランから選ばれています。煮込み料理に向いていて、札幌の名物でもあるスープカレーをはじめ、肉じゃがやビーフシチューにもおすすめです。
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赤玉ねぎの『さらさらレッド』は、北海道栗山町でのみ栽培されている品種。目の健康に良いとされているアントシアニンが含まれています。また、血流の働きを良くするとされている、ポリフェノールの一種・ケルセチンは、従来の玉ねぎよりも含有量が多いです。
加熱するのはもちろん、生でもおいしいので、サラダなどで食べるのもよし。酢水にさらすと赤色が鮮やかになり、食卓が華やぎます。
北海道に来たら買いたい「玉ねぎ土産」
北海道産の玉ねぎを使った、お土産にぴったりな食品もありますよ。
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玉ねぎをスナックとして楽しめるのが、「カルビーポテト」の『ぽてコタン』。ザクザクとした食感で、北海道産のじゃがいもと玉ねぎのうまみを堪能できます。
“コタン”はアイヌ語で“集落”という意味。じゃがいもと玉ねぎがぎゅっと一緒になっている姿を表しています。一口サイズで大人でも子どもでも食べやすいです。北海道内の各駅や空港などのお土産店、「カルビープラス新千歳空港店」で買うことができますよ。
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全国1位の生産量を誇る北見市の玉ねぎを使った、「グリーンズ北見」の『北海道オニオンスープ』もあります。北見産玉ねぎのコクとうまみがぎゅっと詰まっていますよ。
乾燥した粉末スープのため保存期間が長く、お土産としても喜ばれそうです。お肉料理の味つけや、カレーの隠し味など、料理の味を決める調味料としても活躍します。公式通販サイトもあるので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
花も野菜も丸い形をした玉ねぎ。定番の食材ではありますが、種類も多く、いろんなものを食べ比べてみても楽しそうです。
北海道産の玉ねぎを使ったおいしいお土産もあります。ぜひ、北海道の玉ねぎのおいしさを味わってみてくださいね。
【参考】おはよう農園、農林水産省、株式会社キタセ、独立行政法人農畜産業振興機構、国土交通省、札幌市東区役所、株式会社 植物育種研究所、株式会社わかさ生活、カルビーポテト株式会社、株式会社グリーンズ北見
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