アリシア・ヴィキャンデルが主役を務め、ジュード・ロウが共演している映画『Firebrand(原題)』。カンヌ国際映画祭で上映された際には、8分間のスタンディングオベーションで称えられ注目を集めている。そんな同作での役作りのために、ジュード・ロウが特別な香水を身につけていたことが明らかに。

15世紀を生きたイングランド王ヘンリー8世を演じたジュード・ロウと、その最後の妻キャサリン・パーを演じたアリシア。

カンヌ映画祭で行われたプレス・カンファレンスに参加した二人は、「衣装を身にまとった途端に役柄の気持ちに入り込むことができた」と話しており、さらにジュードは特別な香水を身につけて役作りに臨んだことを明かしている。

「この時期のヘンリー8世は、部屋が3つほど離れているところまで匂いが漂っていたと、複数の記述を読みました。なぜなら、脚がひどく腐っていたからだそうです。それをローズオイルで隠そうとしていたとも言われています。そこで私自身もその匂いをまとえば、作品に影響を与えられるのではと考えたんです。良い香りも“ひどい匂い”も作り出せる素晴らしい調香師に協力してもらい、膿と血と便と汗の匂いを混ぜたような匂いを開発してくれました」
「当初はほんのりと匂いがするようにつけていました。自分自身で嗅いで、演技に活かせられたらと思っていたんですが、その香水が監督であるカリムに見つかってからは、無限にスプレーをされてしまって。カリムがスプレーをしてきて、『ほら、今から撮影をするよ!』って感じで。作品内では、悪臭に対するリアクションが数多く捉えられているはずです」

主演のアリシアも「撮影スタッフも気分が悪くなっているようでした。(中略)こんなに臭いものが世に存在するとは…」と付けくわえ、監督は「みんなが食事休憩のために撮影現場を離れている間に私は部屋中に香水を撒いていました」と告白。

「本当に気持ちを引き出してくれて、素晴らしかったんです。ただ、ジュードが撮影現場に到着すると、強烈な匂いがしましたよ」

映像では伝わりづらいところにも役作りの妙が光っている映画『Firebrand(原題)』。同作品は、最高賞パルム・ドールにノミネートされている。