インスタで重症妊娠悪阻の体験を漫画化しているもしゃもうさん(@mosyamou)

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 妊娠初期に起こる「悪阻(つわり)」。妊娠した人の8割が経験すると言われており、安定期である妊娠16週を迎える頃には症状が落ち着いてくる。しかしその症状は個人差があり、症状が悪化し治療が必要になる人もいるという。“もしゃもぅ”さんもその一人で、“重症妊娠悪阻”の体験記を漫画にしてインスタで投稿している。「なった人にしかわからない苦しみ」と話す、その壮絶な症状とは。

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■意外に少なかった悪阻エピソードの漫画 「詳細でたくさんのケースを読みたい」がきっかけに

 今年8月より、3年前になった“重症妊娠悪阻”になった経験をコミックエッセイ化し始めた、もしゃもぅさん。というのも、悪阻で寝ている際に同じ体験をした人の漫画を読みたいと検索をしたというが、“重症妊娠悪阻”のエピソードを描いている人は少なく、あってもすぐに育児漫画に移行していたという。つらい日々をスマホにメモをしていたものの、症状悪化により入院を余儀なくされたり、出産後の育児の忙しさに翻弄され、3年が経っていた。

 漫画には、同じ経験をした人、現在進行形で症状が出ている人、様々な声が寄せられている。

「やっぱりみんなそうだったよね、と共感の声に共感してしまいました(笑)。重症妊娠悪阻は、知らなければなった人にしか分からない苦しみだと思うので、これからも色んな方に知って頂くためにも発信を続けようと思いました」

 もしゃもぅさんの体験記は、何日目から悪阻が始まったか、妊娠時の身長体重、年齢など事細かに描かれている。それは、自身が当時知りたい情報だったからだ。「15kg減ったって、元体重どれくらいで?」「周りのサポートは?」「1日100回吐きました、ホントに?」など、事実に沿った内容であってほしかったという。

 悪阻漫画は「励ましにも支えにも暇つぶしにもなる」と漫画では言っていたが、もしゃもぅさんに悪阻期間で気持ちが癒されたり救われた時はあったか、聞いてみると「吐き気が本当に酷い時は、癒されるとかは一切無いです! 荒んでました(笑)。強いて言えば優しい看護師さんが癒しでした。とってもありがたい存在でした」と、壮絶さが伝わってくる回答が返ってきた。

■最愛の夫もつわりを引き起こす原因に? サポートなしで夫婦で乗り越え感謝

 もしゃもぅさんの場合、においづわりが吐きづわりに直結していたそうで、特にダメな臭いとしてニンニク、ねぎ類、台所、“夫”と書かれていた。ねぎは即捨てたが、夫は捨てるわけにもいかず…と基本マスクを着用してもらい台所で寝てもらっていたと涙ぐましいエピソードもあった。

 そんな夫婦だったが、様々な事情から、実家や義実家などのサポートなく“重症妊娠悪阻”期間を2人で乗り越えた。旦那さんへの思いを聞くと「夫は本当に頑張ってくれたなぁと思います。嘔吐物処理に3食外食、あらゆる場所の臭い消しなど今考えても感謝です!」と、感謝の念が尽きないようだ。

 そんなつらい思いを漫画に描き起こすのは苦しく感じることはないのだろうか。

「描くことでのつらさはほとんどないです。こんな事あったなあ、つらかったね…と、過去の自分を慰めながら描いています(笑)。ただ、酷い対応をされた病院に対しては描きながらも腹が立っております(笑)」

 まだまだ連載中ではあるが、同じように悪阻に苦しんでいる人たちへメッセージをもらった。

「私も悪阻に苦しんだ1人というだけで、メッセージを送るような立場ではないのですが…。悪阻に苦しむ方々は、本当に生きてるだけでとても偉い!!!! と思っております。私は基本的に『頑張って』も『大丈夫』も言われるのが苦しかったので、実録漫画という形でひっそりと陰ながら応援をしております…! 全ての妊婦さんが母子とも無事に出産出来ますように…!!!」