北海道旅行の楽しみのひとつといえば、大自然が織りなす雄大な景色でしょうか。実は北海道には、鉄道に乗車しないと味わうことのできない特別な景色があります。今回は地元民からも愛される、北海道の風光明媚な鉄道路線を紹介します。

北海道の自然を一度に味わうなら「釧網本線(せんもうほんせん)」

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釧網本線(せんもうほんせん)は、網走と釧路を結ぶ全長約166kmのローカル線。この路線には見所が点在しており、海沿いでオホーツク海や流氷を間近に感じ、雄大な知床半島を眼前にしたかと思えば、釧路湿原の中をひた走るといった、釧網本線だけで北海道の自然を十分味わえるようなバラエティに富んだローカル線です。

その観光資源の豊富さから、網走側では流氷の期間にラッピング列車『流氷物語号』、釧路側では湿原をゆったりと走行するトロッコ列車『くしろ湿原ノロッコ号』などの観光列車が運行されています。

事実上の廃線が決定…「函館本線 山線」

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長万部から小樽を結ぶ函館本線の通称“山線”区間。車窓には、蝦夷富士の名前で知られる“羊蹄山”をはじめとする内陸の山間部が映し出され、まさに“山線”という名がふさわしいローカル線です。

そんな風光明媚なローカル線として人気を博している山線ですが、北海道新幹線の札幌延伸の余波で廃線となることが既定路線です。北海道新幹線の札幌開業は2030年度の予定ですから、廃線までにはもう少し時間があります。廃線直前は多くの鉄道ファンなどで混雑しますから、今のうちに乗車するのがおすすめですよ。

【番外編】海の下を新幹線が走る「青函トンネル」

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ローカル線とは少し異なるかもしれませんが、北海道の鉄道を語るうえで“青函トンネル”は外せません。青函トンネルは、本州の青森県と北海道を鉄路で結ぶ海底トンネルで、津軽海峡の海底下100m(最大水深140m)に全長約54kmものトンネルが開通しています。

かつては在来線旅客列車が走行していましたが、現在は貨物列車と北海道新幹線のみ運行されており、北海道新幹線の名物となっています。

見どころは、今まで地上を走行していた新幹線が突如として20分以上も暗闇のトンネル内をゆく独特な空気感。かつて海底駅として営業していた「竜飛海底駅」と「吉岡海底駅」の遺構が車窓から確認できるかもしれません。

北海道の鉄道を満喫するなら

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2022年9月からはJR北海道の在来線が特急も含め全線6日間乗り放題の『HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス』がなんと12,000円という大特価で販売されています。

気温が下がり過ごしやすいこの時期に北海道を鉄道で巡ってみてはいかがでしょうか。

北海道の素晴らしいローカル線を紹介しました。北海道ならではの雄大で過酷な自然を駆け抜ける1両や2両編成の短い列車は、かわいらしくもあり、頼もしくもありますね。

【参考】北海道旅客鉄道株式会社、釧路市

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