アクオド バイ チャヌ 2020年春夏コレクション - 響き合う“愛と許し”
アクオド バイ チャヌ(ACUOD by CHANU)は、2020年春夏コレクションを、表参道・SIDEにて、2019年10月14日(月・祝)に発表した。
“愛と許し”を表現
今季のクリエーションにあたり、デザイナー・李燦雨の念頭にあったのは“愛と許し”の概念だ。ブランドを続けていく中で幾度となく困難に直面してきたと話す李燦雨。その中でも都度リカバリーしながら、前進することができたことを振り返り、自身の中で大きな心境の変化もあったという。
前シーズンとは異なり、ゲリラ的に開催された今回のコレクションでは、アクオド バイ チャヌと元々縁のあったモデルを起用。ランウェイには、EXILEのネスミス、モデルの西山茉希、松井愛莉などが登場した。
キリストのアートワークや聖書から引用した言葉
今回散見されたのは、グラフィティのように描かれたメッセージやアートワーク。レザーのライダースジャケットの背中には、イエス・キリストの絵が象徴的に描かれている。また、クロスモチーフや聖書から引用した言葉を描いたブラウスやジャケットなど、“愛と許し”の概念を強く打ち出したピースが散見された。アクションペイントのような荒々しさがありながらも、叫び出すような強さを思わせる筆致が印象的だ。
絆を表すチェーンや丸く削ったスタッズなど
アクオド バイ チャヌの得意とするファスナー、ハトメ、チェーンといった金属的な装飾使いは、今回も全ピースに登場。
特に、敢えて生地を裂くようにしてカットされたジャケットの背面には、空間を埋めるようにしてチェーンがあしらわれている。破れた心、メンタルを表す生地の端と端を繋ぐようにして、ダイナミックに配されたチェーンは太い絆を表すものだ。
また、一見エッジの効いた表現に見えるスタッズも、よく見ると表面が丸く削られているのが見て取れ、ディテールにもしっかりとテーマを落とし込んでいる。肩を大きくドロップさせ、オーバーシルエットに仕立てたジャケットや、ブラウスの襟に、整然と並ぶハトメやスタッズは、ペイントと呼応して主張を強めているかのように見える。
ブーツの装飾として整然と並べられたスタッズに場内のカラフルな照明が伝う様子は、まるで電飾のよう。ソリッドな金属の表情だけでなく、ポジティブさや明るさも感じられる表現を見せた。
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