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食べることは、生きることに直結している。そして生きることを描くのが、小説家だ。心に残る物語の中には、たいてい印象深い食事にまつわるシーンが描かれているものだ。

2月24日に刊行された一冊の本は、そんな小説作品の食シーンにスポットを当て、それを再現しようと試みた非常にユニークなテーマを持った一冊である。ディナ・フリード著、阿部公彦監修・翻訳『ひと皿の小説案内 主人公たちが食べた50の食事』だ。

著者がデザイナーということもあり、再現写真は料理だけでなくお皿やテーブルクロスなどの小道具、テーブルセッティングも魅力的。これに、食事シーンの抜粋文、食べ物にまつわる豆知識や作家のエピソードを書いた脚注がつき、作品の世界観を盛り上げる。収録する作品は、古典から現代ものまで海外小説の50篇。『サリーのこけももつみ』のような児童文学から、青春の匂いのする『ライ麦畑でつかまえて』『グレート・ギャツビー』、さらに『重力の虹』のような実験小説まで、さまざま。小説のバラエティーの豊かさを反映するように、出てくる料理はフランス料理もあれば、シリアル、フルーツ、お菓子、ファストフード、果ては残飯から土まで。いつもなら小説を通して、食を知るところであるが、今回は食を通して、素敵な小説たちに出合える。

4月10日(金)、下北沢の本屋B&Bにて、本書の刊行記念イベントが開催される。本書の監修・翻訳者である阿部公彦さんと食に造詣が深いエッセイスト、石田千さんによるトークイベントだ。さらに、B&Bお隣のカフェ「tag cafe」の協力のもと、本に登場する料理の再現&実食も行われるという、本書の刊行記念イベントならではのおいしいイベントだ。食と本が好きな女性は必見。ぜひこの機会に足を運んでみて。

■『ひと皿の小説案内 主人公たちが食べた50の食事』刊行記念イベント
阿部公彦×石田千×tag cafe「聞いて、見て、食べて美味しい小説案内」
日程:4月10日(金) 20:00〜22:00(19:30開場)
場所:本屋B&B(東京都世田谷区北沢2-12-4 第2マツヤビル2F)
入場料:2000yen(チケット代+料理代)+1ドリンク
http://bookandbeer.com/blog/event/20150410_hitosarasyosetsu/

■『ひと皿の小説案内 主人公たちが食べた50の食事』
著者:ディナ・フリード 監修・翻訳:阿部公彦
原書:Fictitious Dishes (HarperCollins発行)
A5ヨコ判型/並製/136ページ
定価:本体1850円(税別)
発売日:2月24日
HP:http://bit.ly/1ArvhAb

amazon:http://amzn.to/1uuTDaj