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ドイツの哲学博士アンドレアス・ハイネッケの発案によって生まれ、暗闇で五感を再生し、全ての人が対等に対話をする機会と場を提供する「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」は、世界30か国・約120都市で開催され、2010年現在で600万人以上が体験している。これは、参加者は完全に光を遮断した空間の中へ、何人かとグループを組んで入り、暗闇のエキスパートであるアテンド(視覚障がい者)のサポートのもと、中を探検し、様々なシーンを体験するというもの。その過程で視覚以外の様々な感覚の可能性と心地よさに気づき、そしてコミュニケーションの大切さ、人のあたたかさを思い出すなど、目に見えない世界に浸ることではじめて目覚める新鮮な感覚や気づきをもたらす、いまだかつてない“まっくらやみのエンターテイメント”なのだ。


今回、脳科学者の茂木健一郎氏とバースセラピスト志村季世恵がまっくらな中で対談したものをベースにした書籍「『まっくらな中での対話』茂木健一郎 with ダイアログ・イン・ザ・ダーク」が講談社文庫(税別552円)から発売された。ダイアログの案内役を務める(視覚障がい者)と「見る文化」と「触る文化」異なる二つの文化について興味深いテーマを掘り下げている。

1度体感したことのある人もそうでない人も、本書を読んでから改めて暗闇の中に入っていくことで、日常では味わうことのできない感覚について、さらに多くを学べるはずだ。同時に、一般企業での就職が難しいと思われがちな視覚障害者の雇用創出にも貢献できる。日常の認識が、いかに視覚にたよったものであるかを実感することで、目に見えない世界の重要性をいま1度体感してみて欲しい。

■ダイアログ・イン・ザ・ダーク 冬バージョンスタート
2011年2月16日(水)〜3月14日(月)
身体感覚が研ぎ澄まされる冬の寒さのなか、まっくらやみのなかで感じる温かさを体験してみて。

■お問い合わせ:ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパン事務局
東京都渋谷区神宮前2-8-2 レーサムビルB1


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