深田恭子さん
 「恋をしないと作品が書けない」という脚本家・谷山真由美が巻き起こすドタバタを描くラブコメディー『恋愛戯曲〜私と恋におちてください。〜』は、鴻上尚史氏による著名舞台を初めて映画化した作品。物語の主軸となる「女性脚本家」、その脚本家の作品の中に出てくる「主婦」、さらに主婦の想像の産物である「セレブ作家」と、一人3役に深田恭子さんが挑みました。本作で徹底的にコメディエンヌを演じ切った作品の感想から、同世代の年頃女性の仕事観まで、等身大の女優像に迫りました。

――本作「恋愛戯曲」は純粋なラブストーリーといっていい作品だと思いますが、深田さんご自身はどう捉えられて演じましたか?


深田恭子(以下、深田):物語としては女性にとっての理想形を描いた作品かなと思いました。やさしく見守っていてくれる男性がいて、その人と最終的には恋に落ちるというストーリー展開ですからね。最初に会った瞬間に一目惚れ、という物語ではなく、徐々に惹かれてくという物語も女性向きだなと感じましたね。

――主人公の谷山真由美は、恋をしていないと仕事ができないという設定ですが、深田さん自身は恋をしているときに仕事に影響が出るようなことはありますか?

深田:まったくないですね(笑)常に自分優先です。私の中で恋愛って優先順位が高くないんですよ。「仕事とオレとどっち」みたいな話をされたら、もうその時点でその男性が嫌いになりますね(笑)。強くてバリバリ仕事をしている女性に憧れるので、性格が男っぽいのかもしれません。

――物語の中では草食系の向井(椎名桔平)、肉食系の柳原(塚本高史)という2人が登場していますけど、個人的にはどちらがタイプですか?

深田:柳原みたいなタイプはちょっと苦手です。もうちょっと誠実な人がいいですよね。登場人物で一番好みなのは井上順さん(テレビ局の製作局ドラマ部長役)です。ニコニコされているだけでこっちも癒される感じが理想ですね。向井も大人の男ならではの歳を重ねた魅力があって素敵ですけどね。

――今回の作品は「仕事のために恋をする」というテーマですが、深田さん自身が恋に落ちるポイントってありますか? 一目惚れが多いとか。

深田:私のためにすごくがんばってくれたらうれしいですかね。あまり自分から男性にアタックできないので、誠実な一途な感じを見せられたら嬉しくなるかなと思います。

――ちょっと映画の話題から逸れますが、深田さんと同年代の女性って、そろそろ「女の子」から脱皮する年代ですよね。会社でも意外とプレッシャーやストレスを感じながら生活している年頃かと思いますが、同世代の女性の人生観ってどのように考えられてますか?

深田:20代は素敵な30代になるための勉強期間だなって考えるようになりました。例えばお料理にしても10代や20代前半で作ってたレベルでそのまま30代になってしまったら、家にゲストを呼んでパーティーなんてできないだろうし、食器やグラスにも興味を持って、いろんなことを勉強しないと、中身のある30代にはなれないんじゃないかって思いますね。大人の女性からいろんなことを教えてもらったり、おいしいものを食べたりして成長したいですね。

――辛い経験やプレッシャーも多く経験する世代でもありますよね?

深田:私自身、壁にぶち当たったりすると「あー、私はここまでしかできないんだ」とか思ったりしますけど、それでやりたくないって悩んだりするのは悲しいですよね。逆に言ったら、そういう時こそチャンスですからね。プレッシャーを感じてやらずに済むのであればそれでいいですけど、そこ止まりの人になりますよね。それで本人がいいのならばいいかなって。

――最後にこの作品を観てくれるお客さんにメッセージをお願いします!

深田:今回演じた脚本家の真由美というのは、書きたいけれど書けない、思い浮かばないということで悩み続ける役どころです。ひとりでがんばりたいけど、なかなかがんばれないといった人たちに見てもらうと共感してもらえるのかなと思います。恋愛も重い話じゃなくてハッピーになれる恋のお話なので、ホッとする気持ちになってもらえればなと思います。

・『恋愛戯曲〜私と恋に落ちてください。〜』ストーリー
人気脚本家・谷山真由美(深田恭子)は、とあるTV局のスペシャルドラマの脚本執筆中。しかし…締め切りを過ぎても、1行も書けてない!大パニックの TV局内では、「どんな手を使っても谷山先生に脚本を書かせろ!」という指令が。しかし、この大仕事を成功させるためにTV局が谷山のもとに送り込んだの は、よりによって冴えない制作プロデューサー・向井(椎名桔平)だった――。谷山と向井、TV局スタッフたちが繰り広げる、脚本を巡る壮絶な戦い!ぶつか り合う、それぞれの欲望!さあ、原稿はどうなる?! そして、谷山と向井の、歪んだ恋の行方は!?

『恋愛戯曲〜私と恋に落ちてください。〜』―作品情報

・衣装クレジット
ワンピース/HELMUT LANG(5万7750円)
問い合わせ先:リンク・セオリー・ジャパン
港区赤坂9−7−1 ミッドタウンタワー/03-6865-0206

イヤリング・リング/WOUTERS & HENDRIX
3万2550円(イヤリング)4万6200円(リング)
問い合わせ先:H.P.FRANCE(本社)
渋谷区神宮前6-10-11 原宿ソフィアビル5F/03-5778-2022

シューズ/BOUTIQUE 9(3万2550円)
問い合わせ先:GRI JAPAN
港区麻布台1-11-10 日総第22ビル3F/0120-007554