「ちく玉ぶっかけうどん(冷)」。まずは風味豊かな旨味たっぷりのツユをかけていただき、次に半熟卵天の黄身を絡めて堪能するなど、味の変化が楽しめる

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福岡のとある店で食べたおいしいうどんとの出合いがきっかけとなり、単身で香川県に渡って修業を積み、2012年に「手打ち讃岐うどん 雲海(うんかい)」(福岡県糟屋郡志免町)を開業させた大里維宏(しげひろ)さん。おいしさにとことんこだわり、丹精こめて丁寧に仕上げたうどんは多くの人を魅了し、現在ではほぼ毎日満席でにぎわうほどの人気店へと成長した。

【写真を見る】麺や天ぷらの多彩な食感が楽しめる「とり天ざるうどん」。+300円のトッピングで注文する場合でも、鶏肉の天ぷらが5個用意される

■ 食べ応え十分の麺を人気のうどんで楽しむ

讃岐うどん独特の強いコシとつるんとした喉越しの麺を堪能するなら、ぶっかけ、ざるといった冷たいうどんがオススメだ。

「ちく玉」(750円)は、ふんわりと甘いちくわ天、濃厚で旨味のある赤玉を使った半熟卵天が付いたボリューム満点の一杯。ちくわ天は、大里さんが修業時代に出合ったものを観音寺市から直送して使うというこだわりようだ。

福岡のブランド鶏・華味鳥を使った「とり天」(750円)のうどんも人気だ。身が締まった鶏肉は歯ごたえがあり、天ぷらの衣はサクサク。それが大きめサイズで5個も付いており、お得感がある。

以上を含めてうどんメニューは、かけやざる、ぶっかけ(温・冷)など全27種。釜玉以外は+150円で大盛りにすることも可能だ。

■ “3つのこだわり”からおいしさの秘密に迫る

まずは自家製の手打ち麺。小麦粉は、大里さんが吟味を重ねて選んだという香川県産を使用。讃岐伝統の製法にならい、足踏みで作ったうどん玉をモチモチ食感でつるんとした喉越しになるよう一晩寝かせ、翌日「透かし打ち」と呼ばれる技法でコシと伸びのある麺に仕上げる。

かけツユには、濃厚で旨味の強いダシに欠かせない香川県伊吹島産のイリコや豊かな風味に仕上がる鹿児島県枕崎産のカツオ節、昆布の最高峰である利尻昆布ほか国産素材を厳選。化学調味料不使用で、旨味と香り、新鮮さを大切に、毎朝丁寧にダシをとる。

トッピングは13種100円〜。持ち帰りも可能な天ぷらはサクサクとした衣の食感を損なわないよう、ざるやトッピングでは別皿で用意する。おなかいっぱいになりたい時は、「かしわおにぎり」(1個120円)や「白おにぎり」(1個100円)を注文しよう。

■ 木の温もりを感じる広々とした店内をチェック

店内は、カウンター席やテーブル席、小上がりの座敷の全32席を配置。テーブル席の隣にある窓は大きく、開放感を演出する。また、店内の横に製麺室を併設。ガラス張りになっており、讃岐うどん独特の「透かし打ち」の技法も間近で見ることができる。

営業時間は11:30〜15:00のみ。福岡市東区と太宰府を結ぶ県道68号沿いに建ち、車10台まで停めることができる駐車場もあるため、ドライブの立ち寄りにオススメだ。休日を中心に満席になる日がほとんどなので、席を確保するなら開店直後の時間を狙おう。

[手打ち讃岐うどん 雲海]福岡県糟屋郡志免町田富4-1-17 / 092-937-0403 / 11:30〜15:00 / 火曜

【九州ウォーカー編集部/文=西田武史(シーアール)、撮影=菅祐介】(九州ウォーカー・西田武史(シーアール))