こんにちは、柴田麻衣です。突然ですが、みなさんは通勤にどのくらいの時間がかかりますか?

都内に住んでいる人なら30分くらいが一般的でしょうか。なかには会社のすぐ近くに住んでいて、ドアツードアで5分なんて人もいるかもしれませんね。ご家族で住んでいる場合は、郊外から1時間ほどかけて通っているという人もいるでしょう。

前回も書いたとおり、私は逗子の家から都内の会社まで、毎日片道1時間45分かけて通勤しています。これを聞いて「往復3時間以上を通勤に費やすなんてもったいない!」と思う人もいるでしょうし、「北海道まで行けるじゃん」と言われたこともあります(確かにそうですね)。

第2回の今回は、通勤時間1時間45分生活の本音をつづってみたいと思います。

第1回:私が逗子に移住した理由

毎朝の起床時間は「案外フツー」

逗子で暮らしていると話すと「朝は4時起きとか!?」と聞かれることがある。それだけ遠いイメージがあるのだろう。幸いなことに、勤務先の始業時間は10時とやや遅めなので、それほど早起きせずに済んでいる。

平日の起床時間は、大体6時半〜7時くらいだ。夫が犬の散歩に出ているあいだに、掃除機がけと洗濯。朝ごはんを食べて、洗濯物を干して出かける。家から駅まではバスで10分ほど。そこから電車に1時間乗り、最寄り駅から会社まで歩く。

遠くないといえばウソになるし、体調が悪い時は正直、ツラいと感じることもある。それでも朝、バス停でバスを待っている時に、太陽と緑と風を感じて「超幸せだな!」と思うことの方が多いのだ。

晴れた日は富士山が現れることも/本人撮影

帰りの電車でフッと安らぐ

終業は19時。電車とバスを乗り継ぎ、閉店間際のスーパーに寄って帰る。家に着くのはいつも21時ごろだ。洗濯物をしまって、犬にごはんをあげて、夫が犬の散歩に出ているあいだにお風呂に入ったり夜ごはんの準備をしたりする。こんな感じで、平日の1日はあっという間に過ぎていく。

分刻みのスケジュールで慌ただしい毎日だけど、電車が逗子に近づくにつれて「ああ、今日も1日頑張ったな」と、フッと安らぐ瞬間がある。金曜日の夜の電車の中では、気持ちがパーティーの前の日みたいに高まっていく。何か特別な予定があるわけではないのに、週末家でのんびり過ごすことを考えるだけでワクワク、ソワソワできる。こんな私だからこそ、逗子暮らしを楽しめるのかもしれない。

長距離通勤を機にデジタルデトックスに挑戦!

通勤時間は、本を読んだり勉強をしたりしている。きっかり1時間電車に乗っているから、語学の勉強をするにはうってつけだ。ビジネス書や、興味ある分野の本を読むこともある。

最近面白かったのは、神社に関するガイド本。数えてみればたくさんある八幡宮はどこが総本山なのか、大社と神宮とでは何が違うのか……etc.人があまり知らないことを知るのが好きで、たまに「マニアックだよね」と言われてしまうこともある。

勉強をするのにもちょうどよく、移住してからアロマセラピーとハーブの勉強を始めて、AEAJアロマセラピーアドバイザー資格を取得した。

以前はSNSやメールのチェックもしていたけど、最近はスマホを使う時間を減らそうと試みている。時間を決めないと、ついダラダラしてしまうからだ。それに、あまり情報過多になりすぎると迷いが多くなるから、一度デジタルデトックスをしてみたいという思いは前からあったのだ。

長い通勤時間を有意義に使おうと思ったら、自分のなかである程度ルールを決めないといけない。通勤の話とは関係ないけれど、家に遊びに来た友人には決まって「モノが少ない!」と驚かれる。断捨離は、私の人生における趣味みたいなもの(笑)。今回もきっとうまくいくはずだ。

20代後半から密かに「練習」を繰り返していた

「仕事に影響はないの?」

これも、逗子で暮らし始めてからよく聞かれる質問。家までのバスが早く終わってしまうこともあり、逗子に移住してからは基本的に19時以降は残業せず、朝型にシフトしている。どうしても終わらない時は、持ち帰って家で仕事をすることもある。それでも「これだから遠くに住んでいる人は……」と言われることはない。なぜなら、東京に住んでいた時から定時内で終えられるよう仕事のやり方を少しずつ変えていたからだ。

何でもそうだけど、環境が変わってから急に自分の動きを変えるのは難しい。どこかのタイミングでやっぱり練習をし始めないと。いずれ葉山で暮らしたいと思っていた20代後半から、私は密かに練習を繰り返していた。

今日はここまでと時間を決めて、どのくらい効率よく仕事ができるか? デイタイムの8時間にどれだけ仕事を詰め込めるか? それって、自分だけが動いてもたぶん変わらない。自分の中で小さな働き方改革を繰り返して、周りを巻き込んでいくのが、成功の秘訣だと思う。

「練習」は私の口ぐせだ。5年後にどうなっていたいとか、10年後に何ができていたらいいとか、この先どう生きていきたいかを長期スパンで考えると、今の自分との差が見えてくる。理想に、急には近づけない。だから「練習」して、少しずつ自分を変える努力をするのだ。会社の飲み会に行く頻度を減らすというのもその一つ。次回はその話から始めようと思う。

(構成:東谷好依、写真:青木勇太)