人の悪口を言ってしまう自分が嫌い。この気持ち、どうしたらいい?

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「間」を作って相手の話を一度飲み込む

女子会でする噂話に同調してしまったり、愚痴のつもりが悪口になってしまったり…。つい他人の悪口を言ってしまうことってありますよね。でも、そんな発言をしていると、すごく嫌な気持ちに…。そういう時は、よく考えると、わりとパターンがあるんです。

会話している時って、人の話を聞いて、すぐに次の言葉を出そうとしますよね。テンポよく話すほうが、会話が弾むから。そういう時に、思わず相手の話にうなずいたり、同調してしまうのではないでしょうか。それは、沈黙したら怖いという気持ちや、場の雰囲気を壊したくないという“気遣い”からだと思います。

でも、悪口を言うのは、人を傷つけるということ。だから、言ってしまった後に、自分が嫌な気持ちになってしまう…結局、自分をも傷つける行為なんです。

そんな時は、「間」を持たせるためにテンポよく話すのではなくて、人の話を聞いたら、一度キャッチして飲み込み、できればひと呼吸したりして、あえて自分で会話の「間を」作る。その「間」を楽しむぐらいの気持ちでいいと思います。「間」という余裕ができれば、自分の意に反した言葉を発することもなくなります。

自分は、嫌な言葉を発しないと心がける。そうすれば、相手も自分の会話に乗ってくれないあなたと、その話を続けることはしないと思います。もしまだ続けようとしたら、黙ってしまえばいいです。また、何人かで悪口を言い合うような場になってしまい、自分はそこに参加したくないなら、席を外してしまっていいと思います。

それで、その人達から嫌われたとしても、一時的には嫌な思いをするかもしれませんが、きっとあなたのためになるでしょう。悪口を言い合うような人と同じ環境にいると、自分自身もネガティブな発想になってしまいますからね。これも、自分を傷つけることになってしまいます。

悪口というのは、人のことをジャッジしているわけです。誰かが誰かを評価している、ということ。でも、世の中にはいろいろな人がいて、どの人も個性があって、それぞれの生き方をしています。一人の人間であって、そこにたまたま名前や肩書きがあり、できることやできないことがあるだけです。どこにも完璧な人はいないから、優劣なんてないんです。だから、あなたが誰かをジャッジするのはおかしい。あなた自身も、誰かのジャッジで右往左往しなくていい。そのジャッジは単にあなたや誰かの価値観にすぎないからです。

いつまでもぐずぐずが残ってるなら相手と話し合う

あなた自身が誰かに嫌な印象を持っていて、その人の悪口を言いたくなってしまうこともありますよね。それは、その人との関係で消化できない何かを持っているんでしょう。あなたが相手を受け入れられないということです。だとしたら、その原因を少し考えてみましょう。なぜそう思うようになったのか、どういう過程があるのか、なぜそんなことを言われたのか、あるいは言ってしまったのか。

それでも、どうしても引っかかるなら、相手と話しましょう。あなたが思っているように相手も思っているのか、それとも何か誤解があるのか。同じ言葉を違うニュアンスで捉えているかもしれません。相手があなたに対して何も悪気がないような場合は、あなたの心癖でそういう思いになっているのかもしれません。一度、深く考えてみてください。

心癖を解消するには、違う自分を探してみることです。心の「趣」を変えるために、普段と違うところに行動を移して、それに集中する。道がそれて元の心癖に戻りそうになったら、それをいったん受け入れてから、また集中を取り戻す。好きなことだったら集中できますよね。

何かを一生懸命にできると、心も満ち足りてきます。そうしたら、ものごとを建設的に考えられるようになって、人間関係が変なほうへ行きそうになったり、誰かに対して嫌な気持ちを持ってもんもんとしてしまうスパイラルから抜け出せるはずです。あなたの心が満たされる、集中できるものを、ぜひ手に入れてください。

 

ライター:豊田紗江

井上英樹
アシュタンガヨガ正式資格指導者。国内外でアシュタンガヨガの練習を積む。2014年南インドのマイソールKRJAYにてアシュタンガヨガの正式指導資格を取得。レギュラークラスの他、全国各地でのワークショップも多数。ドイツ・ミュンヘンやカザフスタンなど海外での指導も多く、プライベートレッスンも行う