生理中は運動してもいいの? 医師に聞いてみた

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心身ともに、普段とは状態の異なる生理中。いつもと同じように運動しても問題ないのか、気になったことはありませんか? ダイエットのために運動を継続している女性は特に気になるこの疑問。今回は「生理中の運動の効果と注意点」について、産婦人科医の尾西芳子先生に解説してもらいました。

■生理中に運動してもいいの?

なんとなくだるさが続いたり、腹痛に悩まされたり……。万全の体調とは言えない生理中ですが、運動をしても問題ないのでしょうか。まずはその可否を、尾西先生にジャッジしてもらいました。

◇生理中の運動はOK?

生理中、運動をすること自体は問題ありません。ただ、生理の終わりかけは貧血気味になりがち。したがって、激しい運動は避けるようにしましょう。貧血気味のとき、マラソンなどの酸素を多量に消費する運動はNG。心臓や身体に負担がかかってしまうので注意が必要です。

私が生理中におすすめするのはヨガ。酸素を吸いながらゆっくり運動することで、骨盤内の血液の流れをよくしてくれます。ただし、生理中は避けたほうがいいポーズもあるので、トレーナーの方の指示にしたがって楽しんでくださいね。

◇生理中の軽い運動がもたらす効果って?

生理前から生理中はブルーデイと言われるように、憂うつな気分になる人も。体を動かすことで気分がすっきりし、ポジティブになれるはず。生理中の適度な運動には、抑うつ効果が期待できますよ。

◇番外編 生理中の水泳は問題ない?

基本的には問題ありませんが、先ほどもお話ししたように貧血の人は身体に負担がかかってしまうので要注意。また生理中は子宮の入り口が開き気味のため、外からの雑菌が入りやすくなっています。さらに、経血が水に入ることは清潔とは言えないので、積極的にはおすすめはしません。

どうしても入る必要のある場合、タンポンは必須です。タンポンは入る直前に清潔なものにし、出たあとはすぐに抜くと◎。入れっぱなしは蒸れの原因になるため、新しいタンポンは入れず、水泳後はナプキンで対応しましょう。

■生理中のダイエット効果は?

ダイエットのために運動をがんばっている女性も多いことでしょう。生理中のダイエットは「痩せる」「痩せない」など、さまざまな意見がありますが、実際のところは? ここでは、ダイエットのために運動に励んでいる女性が注意すべきことを抑えていきましょう。

◇生理中の運動は痩せる? 痩せない?

生理中は運動の有無に関わらず体重は落ちやすい状態にあります。というのも生理前はホルモンの影響でむくみや便秘が起きやすく、体重が増加しがち。生理になるとそれらが解消されるので、体重は落ちやすいのです。

ただし、脂肪燃焼効果があるというわけではありません。したがって、体脂肪がなくなるという意味では瘦せる効果があるとは言えないでしょう。

◇生理中のダイエットの注意点

生理中のダイエットでは、以下2点の注意が必要です。健康状態を損なわないためにも、ぜひチェックしておきましょう。

(1)食事を抜かない

生理中は血液が失われ、貧血になりがち。したがって、水分をしっかり補給すること、肉などのたんぱく質・鉄分を多く含むものを摂ることが必要です。これらの栄養が必要な生理中に食事を抜くと、体調不良を起こしかねません。

(2)激しい運動をしない

激しい運動をすると、全身に血液を流すために心臓がフル活動。前述の通り、貧血気味になっている生理中は心臓に負担がかかってしまいます。いくらダイエット中だとはいえ、生理中の激しい運動はお休みするようにしましょう。

■まとめ

生理中だからといって、習慣にしている運動をやめたくない! という女性も多いことでしょう。尾西先生の見解によると、激しい運動でなければ生理中も問題ないということ。体調を崩さない程度の運動なら、ストレス発散にもつながりますよね。また、ダイエット中の女性は生理中に注意すべきポイントがいくつかあるよう。自分に合った適度な運動で、生理中を快適に過ごせるといいですね。

(監修:尾西芳子、文:マイナビウーマン編集部)

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