私と話すのつまらない?その不安を拭い去る「共感・傾聴」のテクニック

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大ベストセラー『話を聞かない男、地図が読めない女』(著者:アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ)を覚えていますか?

男女のコミュニケーションの違いを脳構造の観点から読み解いた1998刊行のこの本には、多くの人が共感しましたよね。
また、2014年に出た心理カウンセラー・五百田達成さんの『察しない男、説明しない女』も話題を呼びました。

■性質の違いがコミュニケーションの差を生む


いずれの書籍も、男性は狩猟的な性質を反映したコミュニケーションスタイル、女性は家庭を営む特性を活かしたコミュニケーションスタイルを持っている、という違いを挙げています。

徒党を組んで獲物を追い込み捕らえるためには、何をどのようにすればいいのか、わかりやすく手短かに、且つ論理的に仲間に伝える必要があります。
それゆえ男性は空間認識能力が高く、物事の説明を得意とします。

一方、他人と足並みを揃えながら和を築いていくには、感情を読み解き察しながら行動する必要があるので、女性は感受性が豊かで行間を読む能力に長けています。

もちろん男性・女性がすべからくこうだ、と言っているのではなく、一説にこのような傾向があると言っているに過ぎません。
誰しもが論理性と情緒性どちらも持ち合わせていて、それぞれのパーセンテージが異なっているだけ。
このパーセンテージの比率が、その人独自の「会話の個性」を生み出します。

そしてどんな個性の人であれ、心がけと努力次第で「楽しい会話」を演出できるようになります。
「楽しい会話」をつくるのは話し上手、と思われがちですが、実は「傾聴のスタイル」がとても重要なんです。
今回は、話し手の心を捉える共感・傾聴のテクニックを教えちゃいます!

■共感・傾聴のテクニック


実は、ポイントは2つだけ。それぞれご説明しましょう。

[1] リアクションの取り方


相手が何を言っても仏頂面だと、話していてつまらないと思われちゃいます。
かといって、相手が真剣な話をしているのに笑い出したら、場を壊してしまいますよね。
楽しい話題なら笑顔やユーモアに彩られたリアクションをし、深刻な話や暗い話題なら誠実な受け答えをする。
そういった、時と状況に応じたリアクリョンを心がけましょう。

なお、特に注意すべき点が一つ。相手の話から連想して自分の体験をいきなり語り出したりする人がいますが、これはNGです。
その連想は本人にしかわからないので、傍からは人の話の腰を折って急に自分のことをしゃべり出したようにしか見えません。

本人は話題を変えているつもりがなくても、場をかっさらっているのです。
これはとても失礼なことなので、相手が話している場・内容を尊重する意識を持ちましょう。

[2] 要所要所でシグナルを送る


私はあなたの話をちゃんと聞いていますよ、というシグナルを感じたら、話し手はとてもうれしくなります。
このシグナルとなるのが、「確認」と「明確化」です。

会話の中で、相手の話の要点を繰り返しこちらから伝えることで「確認」し、また相手が話したいことを端的にまとめて「明確化」する。
このような対応ができると「傾聴の意思」が相手に伝わり、あなたとの会話が楽しく、意味深いものになります。
相手にまた話したい、と思わせることにつながるでしょう。

■まとめ


共感・傾聴のテクニック、ご理解いただけましたでしょうか。

他にも話を盛り上げるコツとして、「5W1H」というのがあります。
これは何かを問いかけるとき「Yes」「No」で答えられるような質問をするのではなく、いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)という回答の自由度が高い質問の仕方をするもの。

相手が語る情報は多ければ多いほど理解が深まりますし、会話が生き生きします。
ぜひテクニックを活用して、聞き上手を目指してくださいね。

ライタープロフィール


黒木蜜
一般企業に勤めながら執筆した作品が日本文学館のオムニバス本に掲載され作家デビュー。古事記への造詣が深く、全国300ヶ所以上の神社紹介記事を執筆。現在、古事記の観点から紹介する神社コラム/恋愛コラムなども手がけている。
黒木 蜜〜中今の詩〜