お金に苦労せず、幸せに生きていくことを目指す【脱貧困診断】。今回の相談は、不動産会社勤務の横川美佐子さん(仮名・28歳)からの質問です。

「買い物したお店で誘われるままにクレジットカードを作っていたら、5枚以上になってしまいました。精査したいのですが、何を軸にして何枚残せばいいでしょうか」

インターネットから銀行口座を開設するにも、「クレジットカードを作る」の項目にチェックをつけないと先に進めなかったり、家電量販店で新生活用の大型家電を買ったら「今日のお買い物も実質1万円安くなります」とおいしい言葉で勧誘されたり。1年の中で、もっともクレジットカードが増えてしまうシチュエーションが増える春。どうしたらいいんでしょう。森井じゅんさんに聞いてみましょう。

☆☆☆

ポイントカードだけもらうつもりが…

クレジットカードの発行会社は、それぞれ入会者を増やすために様々なプロモーションを行なっています。そのため、入会時の特典は魅力的なものが多いのです。
また、店頭でも、利用客のクレジットカードの申し込みをマニュアル化しているところも少なくありません。

クレジットカードの勧誘は、たいてい「ポイントカードはお持ちですか?」から始まります。
持っていない、というと、「では、お作りしますね」。
さらに、「クレジットカード機能付きのものにお申込みいただくと、今すぐ5000ポイントお付けできます。今日のお買い物が実質無料になるんですよ〜」。

買ったものがカードを作るだけでタダになる。これはお得と思ってしまいますよね。そして、気が付いたときには、申込書に記入してしまっている。クレジットカードではなく、ポイントカードの申し込みだと思っていた、という話もよく聞きます。

「複数のカードをなんとなく使う」のがいちばんダメ

作ったまではいいけれど、ほかのポイントカード類に紛れて、財布を膨らませるだけ、なんてこともあります。複数のクレジットカードを持ち、なんとなく使っていると、自分が何にどれだけ使い、いつ、いくら引き落とされるのか、わからなくなってきます。これでは、自分のお金の管理ができません。

クレジットカードは、メイン1枚とサブ1枚があれば十分です!カードの枚数が増えれば増えるだけ、余計なリスクを高めることになります。

ポイントを最も効率よく貯めることを考えても、一か所に集中して貯めるのがいちばんです。また、複数のカードを持っていると、ポイントを逃さないことに執着し、いろんなところに少しずつ貯めてしまうという結果に。あっちこっちにポイントが散らばってしまい、わからないし使わない、使えないという状況に陥っている人も少なくありません。

ポイントを貯めるのは、お得に買い物をしたいからですよね。せっかく貯めたものをきちんと把握せずに使いもしないのは本末転倒です。

自分の生活スタイルに一番高い還元のあるものを1枚チョイス

まず処分するのは、たまたま1回買い物しただけ、というお店で作ったクレジットカード。財布の肥やしになるだけでなく、「あるから使っちゃう」というムダ使いのもとにもなります。これは「いらないカード」としてよいでしょう。

また、年会費を払っているのに使っていないカード。これも「いらない」。初年度の年会費は無料としているクレジットカードがほとんどですが、翌年からは年会費がかかるところも。使っていないカードほど、年に数千円引かれている年会費に気づかないことがあります。これもムダです。

貯まったポイント数によって指定された商品の中から好きなものを選べる、というしくみになっているもの。これは、節約したい働くアラサーには不向きかもしれません。

「別に特に欲しくはないけれど、この中から何かを選ばなくちゃポイントがムダになっちゃう」と思っていると、「本当は必要のないもの」を手にしているだけになってしまいます。
複数のクレジットカードを持っている場合には、ポイントがお買い物に使えるカードを残すといいでしょう。

クレジットカードの多くは、作るときに、VISA JCB、Master が選べるようになっています。海外旅行をよくする人は、世界で通用するVISAかMasterが便利です。JCBは日本初の国際ブランドです。国内ではもちろんですが、日本人に人気のアジア諸国やハワイ、グアムでも使え、特にワイキキでは、JCBカードを提示するだけで無料で乗れる循環バスがあったり、お買い物が10%〜20%安くなるクーポンと併用できたりとお得度が高いです。

VISAかMasterで1枚、JCBで1枚持って入れば、国内でも海外でも困ることはまずありません。
自分が持つクレジットカードは2枚と決めて、日常の支出にもっとも関わりのあるところで、ポイントが買い物に使えるものを選んでみてはいかがでしょうか。 

長財布を開いたらクレジットカードがズラリ、がカッコよかったのは昭和の時代まで!?



■賢人のまとめ
クレジットカードは枚数が増えれば増えるだけ余計なリスクが高まります。メイン1枚とサブ1枚があれば十分! 

■プロフィール

女子マネーの達人 森井じゅん

1980年生まれ。高校を中退後、大検を取得。レイクランド大学ジャパンキャンパスを経てネバダ州立リノ大学に留学。留学中はカジノの経理部で日常経理を担当。

一女を出産し帰国後、シングルマザーとして子育てをしながら公認会計士資格を取得。平成26年に森井会計事務所を開設し、税務申告業務及びコンサル業務を行なっている。