カラダに嬉しい!「ねばねば成分」のチカラ

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執筆:永吉 峰子(管理栄養士)

体によさそうなイメージのある「ねばねば食材」。

納豆やオクラなど様々なものがありますね。

ねばねば成分には一体どのようなものがあるのでしょう?

今回はその働きや、ねばねば食材のおすすめの食べ方とともにご紹介していきます。

ねばねば成分その1:水溶性食物繊維

水溶性食物繊維に期待できる効果

食物繊維には水に溶けやすい水溶性食物繊維と水に溶けにくい不溶性食物繊があります。

食物繊維は便秘予防のイメージがありますがこれは不溶性食物繊維の働きで、水に溶けずに膨らむことで体の中の不要な物質を便として排出する働きがあります。

対して水溶性食物繊維は主に海藻のねばねば成分です。

ねばねばしていることで、吸収がゆっくりとなり血糖値の上昇を抑制したり、脂肪の吸収を抑えたりする働きがあります。

注目の働き「悪玉コレステロール抑制」


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水溶性食物繊維には悪玉コレステロールを下げる働きもあります。

悪玉コレステロールは、胆汁酸という脂肪の吸収に必要な物質の原料となっています。

通常は役目を終えた胆汁酸は小腸で再吸収されて再利用されます。

しかし水溶性食物繊維には胆汁酸の再吸収を妨げる働きがあります。

その為、水溶性食物繊維を摂取すると、原料となる悪玉コレステロールがどんどん使われ、悪玉コレステロールの低下が期待できます。

ねばねば成分になっている水溶性食物繊維とは?

水溶性食物繊維には様々な種類があります。

その中、海藻のねばねば成分になっているのはアルギン酸とフコイダンという成分です。その働きはどちらも同じです。

ねばねば水溶性食物繊維が含まれる食品

昆布、もずく、めかぶなどの粘り気のある海藻類に含まれています。

同じような効果が期待できる食べ物は?


野菜や果物です。野菜や果物にはペクチンという成分が含まれています。

ペクチンは昆布やもずく、めかぶのねばねば成分と同じ水溶性食物繊維なので同じような効果が期待できます。

おすすめの食べ方は?

ねばねば成分は熱に弱く、海藻の表面についているので、加熱したり洗ったりせずそのまま食べることがおすすめです。

また、血糖値の上昇を抑えることを期待するならば、食事の最初に海藻や野菜を食べた方がよいことがわかっています。

ねばねば成分その2:ムチン

ムチンに期待できる効果

ムチンは糖とタンパク質が結合した糖たんぱくという物質の1つです。


水溶性食物繊維と同じく、糖の吸収を穏やかにし、血糖値の上昇を抑える働きがあります。

また、胃の粘膜を保護する働きも持っていて、胃を保護し消化を助ける働きもあります。

ムチンが含まれる食品とは?

オクラ、里芋、モロヘイヤなどの野菜、なめこ、納豆に含まれています。

同じような効果が期待できる食品

血糖値の上昇を抑える働きならば、同じくねばねば食材のもずく、めかぶ、昆布があげられます。

胃の保護をする働きならば、キャベツに含まれるビタミンUや、大根に含まれるアミラーゼが同じような働きが期待できます。

おすすめの食べ方

ムチンも熱に弱い為、加熱せずそのまま食べることがおすすめです。

また、血糖値の上昇を抑えることを期待するならば、食事の最初に海藻や野菜を食べた方がよいことがわかっています。

ねばねば成分その3:γ―(ガンマ)ポリグルタミン酸

γ―ポリグルタミン酸に期待できる効果

γ―ポリグルタミン酸は、アミノ酸であるグルタミン酸が沢山結びついてできています。

グルタミン酸は昆布の旨みになっている成分で、そのグルタミン酸が結びついているγ―ポリグルタミン酸も旨みの成分となっています。

γ―ポリグルタミン酸には他のねばねば成分のような健康効果は残念ながら明らかになっていませんが、旨み成分という他にはない役割を持っています。

γ―ポリグルタミン酸が含まれる食品

納豆に多く含まれています。納豆の糸になっている成分です。

おすすめの食べ方

γ―ポリグルタミン酸はかき回すことで量が増えます。

よくかき回すと納豆が美味しくなると言われていますが、これはかき回すことによってγ―ポリグルタミン酸が増える為です。

納豆の糸が引くくらい、しっかりと混ぜると納豆がより一層美味しくなります。

<筆者プロフィール>
永吉 峰子(ながよし・みねこ)
管理栄養士。大手小売企業にて店長、商品開発を経験後、現在は「健康」「食」に関する執筆を中心に活動中