シミ対策は「シミの原因」を知ることから!

写真拡大


執筆:南部 洋子(助産師、看護師)


「年を重ねても、いつまでもきれいなシミのない肌でいたい」というのは、すべての女性の願いといえます。

しかし、そんな想いに反して、いつのまにか気になるシミが出てきてしまうのが現実です。

シミができないようにするにはどうしたらいいのでしょうか。また、有効なシミ対策になにがあるのか、詳しくみていきましょう。

シミの原因にはなにがある?

シミは、メラニンが肌に斑点のように染みついているものです。

シミの原因の多くは紫外線です。
紫外線を浴びると、細胞内に活性酸素(身体の酸化・錆・老化などの原因)が発生します。ヒトの表皮の下には、メラニンをつくる「メラノサイト」という細胞がありますが、紫外線によってメラノサイトが刺激をうけると、紫外線から肌を守ろうとメラニン色素が大量に生産されます。

紫外線以外にもシミができる原因として、加齢、睡眠不足、ストレス、ニキビやかぶれ、やけどなどの炎症の痕などがあります。

シミの種類を知ろう

シミの対策をするには、どのような種類のものがあるのか、またできているシミがどんなものなのかを知る必要があります。なぜなら、それによって対策が大きく違う場合があるからです。

ひとつずつ、シミの種類についてみていきましょう。

雀卵斑(じゃくらんはん:ソバカス)


鼻を中心にシミが散らばったようにできるものです。子どものころからでるものと、大人になって出るものがあります。

子どものころからあると、愛らしい象徴のように使われたりもしますが、遺伝的な体質と関係があります。

色白な体質が遺伝して、ソバカスができやすい肌になっており、早ければ3歳頃から出ることもあります。思春期にとくに目立ち、思春期の後半からは、消えていきます。

思春期すぎても消えないもの、大人になってでてくるものは、紫外線と大いに関連があります。

メラニン色素が紫外線により、多く生成され肌の奥に蓄積されてソバカスとなります。また、肌に合っていない化粧品の使用、過度なピーリングなどもその原因となります。

炎症性色素沈着


やけどやニキビの痕、化粧品かぶれなど、肌の炎症が治った後に褐色のシミになって残ったものです。このシミの形の境界線は、時間とともにぼけていきます。また、年齢や部位に関係なくできるものです。

肝斑(かんぱん)


妊娠、経口避妊薬などとの関連ででてくるので、女性ホルモンの影響により発症するといわれているシミです。顔に左右対称にでるのが特徴で、頬骨に沿ってできることが多いです。

太い刷毛で塗ったような薄い褐色でやや大きなシミがでます。高齢者にはほとんど見られない、という特徴もあります。

老人性色素斑


紫外線によってできるもので、紫外線を受けやすい頬などにできることが多いシミです。淡い褐色や濃い褐色のものがあり、手や背中など露出している部分にでます。

年齢とともに、これまで蓄積された紫外線による影響が出てくるもので、40歳位からこのシミが目立ち始めます。女性が気にしているシミの大半はこのタイプです。

その他

・摩擦黒皮症(まさつこくひしょう)


ナイロンタオルや洗顔ブラシによるこすり過ぎが原因のもの。

・女子顔面黒皮症


卵巣機能障害で日光に過敏になっている皮膚に、さらに刺激が加わって起こるもの。

・ベルガモット皮膚炎


香水をつけた部分に紫外線が当たってできる。

有効な「シミ対策」はなに?

シミをなくす方法は、残念ながら医学的にはまだ確立されていません。
一時的にシミを薄くしたり、見えないようにする化粧品などが広まっているようですが、よくなったと思っても、シミが再発することなどはしばしば起こっていますので、注意したいものです。

もしシミが、まだ淡い褐色の状態であれば、「ビタミンC誘導体」のケアが効果的です。ビタミンCには、抗酸化作用や美白などの効果がありますが、壊れやすく不安定です。そこで、化粧品にするために人工的に安定させた成分を「ビタミンC誘導体」といいます。

皮膚に浸透しやすくなるばかりでなく、皮膚に浸透してからビタミンCに変化します。ビタミンC誘導体には、メラニンの一部を淡い色にする効果やメラニンを作る働きを抑制する作用があります。イオン導入器などで、浸透させましょう。

一時的にシミが薄くなったとしても、時間が経つと逆に増えてしまう場合もあります。

一番のシミ対策は「健康な肌」

シミを改善する上で、健康な肌の状態なくして、シミ対策はありえません。一時的にシミが薄くなることに惑わされ、肌の健康を害するようなことにならないようにしましょう。

ベースである肌を健康にして、対策を実行していきたいものです。


<執筆者プロフィール>
南部洋子(なんぶようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師 株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。
タッチケアシニアトレーナー