サイズはフリーで、素材はアクリル、綿、ポリエステル

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2016年SSシーズン、下半身はどうすれば良いのでしょう。5〜6年は続いたレギンスの時代。終わる終わると言われてしぶとく残っていましたが、ついに終了したようです。

今年、街中でレギンスはめっきり見ることがなくなりました。もちろんトレンカも。トレンカの方がイキっていたアイテムだった分、今履くとさらにダサいかもしれません。

一種の万能感があったレギンス

ひところ、チュニックにレギンス、というコーディネイトがおばさんの定番だと言われていました。ミニワンピにレギンス、というパターンもあります。脚を出したくない、でも若々しい格好をしたい熟女にとって、レギンスやトレンカは便利なアイテムでした。ミニ丈のかわいい服を身に付けつつ、脚は露出しないですむのです。

さらに、夏などは面倒くさい日焼け止めケアをしなくても良くなるのも魅力です。ちょっと蒸し暑いのと、男性に不評という点を気にしなければ、レギンスには一種の万能感がありました。

しかしそのアイテムが終了してしまった今となっては......。スキニーデニムに逃げるという説もありましたが、時代はワイドパンツ。スキニーまでダサいイメージになっていると、先日テレビで知りました。

そういうわけで、いい年の女性がミニ丈の服を着ようとすると、下半身はどうしたら良いかわからないという状況になっています。もちろん若くて美しい膝ならば、そのままナマ脚で着ても良いでしょう。でも、年々脚がむくみ続けている身としては、とてもナマ脚は晒せません。周りの人に迷惑なので......。

今月の粗品プレゼント

ということで最近、買ってしまったミニ丈のニットワンピが、下半身に合わせるものがなく、行き場を失っています。まだクローゼットの片隅にかたまっているレギンスを久しぶりにはこうかとも思いましたが、小市民なので勇気が出ません。

流行はまた巡るので、かつてスパッツと呼ばれていたレギンスが復活をとげたように、10年くらい後にまた別の名前でブレイクする可能性もなきにしにあらずです。

その時まで、ミニワンピとともにとっておこうかとも思いましたが......。10年後、このようなタイトなワンピは体型的に今よりも着られなくなっていることが予測されるので、どなたかナマ脚を出してもいいという方におゆずりいたします。レギンスへの哀悼の念を抱きつつ......。

辛酸なめ子

1974年、千代田区生まれ、埼玉育ち。漫画家・コラムニスト。著書に、『消費セラピー』(集英社文庫)、『女子校育ち』(ちくまプリマー新書)、『女子の国はいつも内戦』(河出書房新社)、『なめ単』(朝日新聞出版)、『妙齢美容修業』(講談社文庫)、『諸行無常のワイドショー』(ぶんか社)、『絶対霊度』(学研)などがある。