続々と春の新ドラマがスタートしているこの時期。4月14日に第1話が放送されたTBS系列ドラマ『マザー・ゲーム〜彼女たちの階級〜』(毎週火曜22時)は、セレブ幼稚園を舞台に繰り広げられるママ友の世界を描いた作品ですが、これまでのママ友ドラマとは一線を画して面白いと話題になっています。

貧乏シングルマザーとセレブママたち

舞台は主人公・希子(木村文乃)が、保育園児童待機の問題から息子の晴斗を入園させることになった超セレブ幼稚園。そこで自分を敵対視するセレブな母親たちにストレートに自分の思いをぶつけ、凝り固まった母親たちの考えを変えていくというヒューマンドラマ。

安達祐実演じるみどりが、希子に「ここでは皆仮面を被って、うわべだけの関係を保つの。ビジネスと同じ」と言うシーンにも表れているように、そこにあるのはまさに女たちの“カースト”。皆が皆、子供のためと言いつつ、セレブリティな振る舞いやお受験の成功で自分の自尊心を保とうとしているのです。

ママ友の世界に何が起こっているのか

希子へのいじめの主導的立場のように描かれる聡子(長谷川京子)は、姑からのモラハラとそれに知らんぷりの夫、みどりは「俺の金で暮らしてて俺の言うこと聞けないの」と言い放つ浮気夫など、家庭にある不協和音こそが彼女たちの自己肯定を奪い、幸せとは何なのかわからず彷徨わせている側面を描き出しています。

また、ママ友は「○○君のママ」と呼び合う印象ですが、このドラマでは皆、下の名前で呼び合います。園長先生・奈良岡フミ(室井滋)の「彼女たちも変わりたいと思っているのよ」という台詞にもあったように、価値基準が子供の優劣だけだった状態から、それぞれのママ個人の幸せへと、意識が変わってきていることの表れでしょう。

ネットには期待のコメントが多数

第1話の放送を受け、早速ツイッター上では

・44歳で園児の母親役の檀れいは、カースト最上位で年収5億の資産家だけど、長年の不妊治療の末やっと生まれたとか、実は結局子ができなくて養子だとか、今後そういうエピソードが出てきそう

・単に「ママ友は怖い」という視点じゃなく、セレブママたちなりのもがきや悲しみ、渦巻いている問題が描かれているよね

・希子が「お金も地位もない人の言うことは誰も聞かない」と言われるシーンがあったけど、割と今の世の中その通りだと思う。ママ友の世界は、会社よりもこの世の空虚さが如実に表れてる

などと、内容の面白さ、奥深さだけでなく、今後の展開を予想する声や期待のコメントが溢れています。

初回の視聴率は同時間帯トップ

初回の視聴率は9.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、同時間帯に放送された他の2本のドラマとも比較してダントツの高い数字。晴斗は死んだと思っている父親(別れた夫)が希子の目の前に現れ、今後の波瀾万丈な展開を予想させるラスト。来週以降も、ママたちの群像劇には注目です。

(笹崎ひかる)