「脂肪」は悪者?正しい知識でやせ体質をゲット「炭水化物の取り過ぎにむしろ注意」

写真拡大

3大栄養素である脂肪は、何かと悪者。ちまたに出回る食品にも「低脂肪」、「脂肪分ゼロ」の宣伝文句が貼(は)り付けられ、ダイエットや健康的な食生活の敵とみなされています。

しかし、専門家に言わせれば、太る原因は脂肪分よりむしろ炭水化物の取り過ぎによるものだとか。脂肪とは一体何者なのでしょうか?

●太る原因は「脂肪」より「炭水化物」のとり過ぎに
炭水化物は、すい臓からインシュリンを大量に分泌させます。それにより血糖値が下がることで脳が「おなかがすいた!」と反応。この空腹感からまた食べてしまうという悪循環が起きるのです。対して脂肪は体の細胞からエネルギーとして使用されます。また、消化に時間がかかるため満腹感が長く続きます

特に女性は、女性ホルモンであるオストロゲンのおかげで男性より脂肪をよく処理することができます。そのため、低脂肪ヨーグルトより普通のヨーグルトを食べても大丈夫とエキスパートはうれしいアドバイス。その方が満腹感を長く持続させるだけでなく、舌も喜ぶとのこと。

●脂肪を締め出すダイエットは長続きしない
しかも、最近の研究では舌には脂肪を知覚する受容体があることが分かっています。つまり、脂肪がないと“おいしい”と感じないこと。油っこいものやクリームをたっぷり使ったものがおいしいのにはこんな訳があるのです。そして、おいしいと感じられなければ、ダイエットも長続きはしないでしょう。

●脂肪は私たちの体には必要不可欠
脂肪は、体が必要とするもの。毎日何百もの細胞が再生を繰り返しており、脂肪はそのエネルギーとして必要不可欠です。

さらに、美容に必要なビタミンの多くも脂肪がなければ体に吸収されません。脂溶性ビタミンにはA(きめ細やかなお肌)、E(つややかな髪)、D(丈夫な骨と歯)があります。
また、脳内の神経細胞の伝達にも脂肪は不可欠。

専門家の意見では、炭水化物の量を減らし、食事の全カロリー量を同レベル、または減らすぐらいに保てるのであれば、脂肪分が食事の40%を占めていても大丈夫とのこと。

例えば、魚を食べる時はご飯の量を半分に減らす、その代わりに油(健康な不飽和脂肪のもの)や野菜を多く取る、衣を使うとんかつの代わりにハーブのマリネやゴマをまぶすなどの工夫もダイエットには効果的だそうですよ。

脂肪の世界は、かなり奥が深いようです。悪者と決めつける前に正しい知識を身につけて、痩せたい質をつくりましょう。

参考:Die Wahrheit uber Fett
http://www.petra.de/body/abnehmen/artikel/die-wahrheit-ueber-fett